2014年4月16日水曜日

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第051回国会 社会労働委員会 第4号 昭和四十一年二月二十四日(木曜日)

Twitterからこのページへ来た方へ
吉川兼光議員の吃音についての発言を読む前にちょっと説明。
Twitterでは文字制限があるので少し追記します。
現在、吃音で苦しんでいる当事者・家族、支援者の皆さん!!
自分のできることやろう。
地元の選挙区の国会議員さんでもいい。
政党のHPのご意見欄でもいい。
厚生労働省のHPのご意見欄でもいい。
内閣府のHPのご意見欄でもいい。
吃音者の苦しみを伝えよう。動けば変わる。

そして、時間があればNPO法人全国言友会連絡協議会にもあなたの力を貸してください。
全ての吃音者に選択肢のある世の中に変えなくてはいけないと私は思います。
http://zengenren.org/


2014年7月17日追記
吃音症は発達障害であり精神障害者保健福祉手帳の交付対象であることが判明しました。


意見や要望をするときの注意ですが。電話にするか?HPからにするか?手紙にするか?色々と手段はあります。国会議員さんや政党にコンタクトする場合は自分の情報を開示する必要があります。

厚生労働省や内閣府だと匿名で電話して、吃音について質問してもすぐに答えてくれます。
自分は吃音があるのだが、日本にはどのような社会福祉があるのか?障害者手帳はあるのか?と質問してみましょう。

問い合わせが多いということはそれだけ困っている人がいるということが伝わるはずです。

もし、電話するときにあなたがICレコーダーを持っているのであれば、ハンズフリーモード・スピーカーフォンモードにしてどのような回答を得られたか保存しておくのも重要です。


そして、全てに共通することですが。必ず質問に対して返事・返信がほしい旨を伝えましょう。






駄文失礼しました。

こちらが本文になります。



1966年

第051回国会 社会労働委員会 第4号
昭和四十一年二月二十四日(木曜日)
   午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 田中 正巳君
   理事 藏内 修治君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 竹内 黎一君 理事 伊藤よし子君
   理事 河野  正君 理事 吉村 吉雄君
      大坪 保雄君    熊谷 義雄君
     小宮山重四郎君    西村 英一君
      松山千惠子君    粟山  秀君
      山村新治郎君    亘  四郎君
      淡谷 悠藏君    滝井 義高君
      辻原 弘市君    長谷川 保君
      八木 一男君    吉川 兼光君
      谷口善太郎君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
 出席政府委員
        厚生事務官
        (大臣官房長) 梅本 純正君
        厚生事務官
        (大臣官房会計
        課長)     戸澤 政方君
        厚生事務官
        (薬務局長)  坂元貞一郎君
        厚生事務官
        (社会局長)  今村  譲君
        厚生事務官
        (児童家庭局
        長)      竹下 精紀君
        厚生事務官
        (保険局長)  熊崎 正夫君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (大臣官房企画
        室長)     加藤信太郎君
        厚 生 技 官
        (大臣官房統計
        調査部統計調査
        官)      角田 厲作君
        専  門  員 安中 忠雄君
    ―――――――――――――
二月二十二日
 委員八木一男君辞任につき、その補欠として永
 井勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
 委員永井勝次郎君辞任につき、その補欠として
 八木一男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――

○吉川(兼)委員 関連。この際、厚生大臣から御答弁を伺っておきたいので、関連質問を申し上げたいと思います。
 いま吉村委員との間に行なわれているいろいろの応答を聞きながら、大臣のまじめで良心的な御答弁に私は敬意を表するものでございますが、その御答弁の中でたくさん数えられた項目、そのうちに私がひそかに期待いたしましたのに出てこない問題がございます。それは一見小さな問題と考えられやすいのでございますが、実は非常に深刻化している点からいって、決して小さな問題と考えられないので、この機会に大臣の明確な御答弁をわずらわしたいのであります。それは言語障害者に対する政府の治療対策、ないしは治療の施策の現状、さらにはその基本ともいうべき言語障害者の基本調査、つまり国民の中に大体どのくらいの患者がいるかということ等についてでございます。概略でもよろしゅうございますから、まず伺っておきたい。
○鈴木国務大臣 吉川さんがただいまお話しになりました言語障害者あるいは聴覚障害者、この問題は非常に私どもも重視いたしておりまして、その対策につきましても、昭和三十二年以来特に努力を払っておるところでございます。ただいままでの調査によりますと、聴覚障害の者が十九万五千人ほど、それから音声言語障害の者が二万七千人ほど、これを合算いたしまして、二十三万一千人ほど昨年八月の調査によりますとおるわけであります。これらの方々に対しまして、昭和三十二年に国立のろうあセンターを設置いたしまして、できるだけこういう方々を収容いたしまして、そして療育に当たっております。また指導に当たっておりますが、そのほか文部省関係といたしまして、ろう学校が全国で百七校、一万九千人を収容をいたしております。民間のほうにはこういう施設が、ほかの心身障害であるとか肢体不自由であるとかいうのに比べまして、比較的おくれておるのでございますが、私ども今後も法律の整備を急ぎまして、こういう面につきましても今後一そう力を入れてまいる考えでございます。
○吉川(兼)委員 私も問い方がまずかったのかもしれませんが、私の伺っておりまするのは、言語障害といいましても、いまの御答弁のようなろう関係のことではありません。端的に申しますと、俗にいうどもりとか、あるいは口蓋裂その他のことをいうのであります。そういう方面の調査でございます。実はこの問題について、私が昨年の十二月に総理大臣あてに質問書を提出いたしましたが、そのときにいただいた答弁書がここにあるのです。これはおそらく厚生省や文部省などで作成した答弁書と思いますが、名前は総理大臣からの答弁となっております。その中で私の言う言語障害に対する調査は、実は現在正確な調査はできておらないと書いてあります。ちょっと読んでみますと、「言語障害者の判定基準を作り、これによつて全国的調査を行なうことのできる段階ではないと考える。」という、はなはだそっけない、無責任にひとしい答弁であります。さらに、それに続きまして一九五一年のアメリカの統計を引用し、「いわゆる白亜館会議におきまして、アメリカにおける言語聴覚学会というところの報告によりますると大体〇・七%と推定しておるから、これを日本にそのまま適用するとすれば七十万人くらいであろう」というのが御答弁でございます。私は日本のことを聞いたので、アメリカの数字を聞いているのではありません。ところが、私がいろいろ調べてみましたところによりますと、たとえばいま全国で、千葉県を重点にして十幾つかの小中学校がこの問題を取り上げて特別教室を設けておりますし、民間にも篤志な施設がありまして、私がそういうところについて実際に問い合わせた調査によりますと、小中学校の児童、生徒の百人の中で二人ないし五人は患者であるというのです。これは実際それらの患者を指導し、または治療に当たっている人々が言っておる数字でありますが、その中で一番低い二人といたしましても、つまり一億に対する二%は二百万という数になるわけであります。もし五%という数字をとるといたしますと、その数は五百万ということになるわけであります。これはひとつ厚生省におきましてその正確な数字を把握するよう、可及的すみやかに努力してもらいたいことをこの際特に大臣に強く要望しておきたいと思うのであります。
 申し上げるまでもありませんが、欧米では、この問題につきましてはそれぞれの政府は力を入れております。たとえばオーストリアみたいなところにおきましても、先般世界言語学会の十三回大会というのが昨年の夏に行なわれ、日本からは花沢忠一郎という篤志な民間治療家が出席しているのであります。その方の報告書を読んでみますと、ウイーンのような狭いところでも四カ所もの治療所があるという。それに比べ日本では、治療所というのは国立で一カ所しかありません。民間の治療所としては、それも決して完全とは言えないものが、せいぜい十カ所くらいあるのじゃないかと思うのであります。かりに、先刻の総理大臣の答弁書にある七十万人と私が推定する二百万との中間が患者の実数であるとしましても、何と貧弱な施設ではありませんか。政治は必ずしも少数と多数とを差別すべきではないと信じます。しかも、この問題はきわめて深刻なのであります。たとえば、最近私のところにも、ある中学校の生徒で、十四歳か五歳くらいの者が出した手紙が届けられています。「教室で先生からどもりと言われたというので憤慨して教室を飛び出した、どうしても学校に行く気になれない。自分はあの先生を殺してやろうと思うのだけれども、母一人子一人の身の上を思うとそういうこともできない」と、まことに切実な叫びを手紙に託しているのであります。どもりの患者というのは、このような深刻な立場にあるのであります。つまり、普通人にはとうてい考え及ばない羞恥心が伴うものでありまして、自分がどもりであることをひた隠しに隠すのが常であります。どもりを苦にして自殺をしても、遺書の中にはどもりが理由であると書けない。というくらいです。そういう精神的な苦悶というものが伴っておるのであります。古い話でありますが、昔読んだ書物で、第一次世界大戦のときに、夜戦で誰何された場合に使う合いことばというのがあって、かりに山と川とすれば、山と言えば川と答えれば味方であることがすぐ通じる。それを何回山と言っても答えが出ないから、いよいよ銃殺しようとするとわあんと泣き出したという。よく調べてみると、その人はどもりで、どうしても川という答えが言えなかったのだというのです。これを見るまでもなく、どもりとは、これは人類の永遠の悲劇であると言えましょう。この問題が、政治の面で案外忘れられておるのはどうしたことでしょう。国会で取り上げられたのは、私のこの質問が初めてかもしれませんが、まことに国政の恥部と言っても言い過ぎでありません。アメリカでは、多くの大学で、その医学部にどもり等の患者をなおす言語障害学科が設けられてあり、相当大きな治療施設も行なわれておるのでありますが、わが国では、国立千葉大学の佐藤教授など、二、三の篤学者が細々と研究しているにすぎません。この質問は関連でありますから簡単に申し上げますが、これほどの重大問題が、国政の面で、はなはだしく閑却されているのであります。鈴木厚生大臣は、決しておだてるわけではありませんが、他に比類の少ない良心的な大臣といわれ、私どももひそかに期待をかけている方であります。あなたの時代にこの言語障害、特にどもりの問題等につきまして、思い切った画期的施策を打ち出してもらいたいと思います。この際、大臣から責任のある御答弁を承っておき、なお詳しくは他日の機会にあらためて質問いたしたいと思います。
○鈴木国務大臣 ただいまのどもりの矯正の問題につきまして、いろいろ実態をもう少し正確に把握をした上で、それに対する適切な施策を講ずべきであるという御提案でございますが、私もこの問題は非常に大切な問題だと思いますので、調査等につきましても早急にこれを進めまして、実態を把握して必要なる諸施策を進めたい、かように考えます。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/051/0188/05102240188004a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第035回国会 社会労働委員会 第3号 昭和三十五年九月九日(金曜日)

1960年

第035回国会 社会労働委員会 第3号
昭和三十五年九月九日(金曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長 大石 武一君
   理事 齋藤 邦吉君 理事 八田 貞義君
   理事 柳谷清三郎君 理事 滝井 義高君
   理事 八木 一男君
      遠藤 三郎君    岡崎 英城君
      亀山 孝一君    木倉和一郎君
      河野 孝子君    田中 正巳君
      永山 忠則君    山下 春江君
      亘  四郎君    伊藤よし子君
      大原  亨君    小林  進君
      五島 虎雄君    山口シヅエ君
      本島百合子君
 委員外の出席者
        厚生政務次官  田中 正巳君
        厚生事務官
        (大臣官房長) 高田 浩運君
        厚生事務官
        (大臣官房審議
        官)      山本 正淑君
        厚生事務官
        (大臣官房国立
        公園部長)   木村 又雄君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  聖成  稔君
        厚 生 技 官
        (医務局長)  川上 六馬君
        厚生事務官
        (医務局次長) 黒木 利克君
        厚生事務官
        (薬務局長)  牛丸 義留君
        厚生事務官
        (社会局長)  太宰 博邦君
        厚生事務官
        (児童局長)  大山  正君
        厚生事務官
        (保険局次長) 山本浅太郎君
        厚 生 技 官
        (保険局医療課
        長)      館林 宣夫君
        厚生事務官
        (年金局長)  小山進次郎君
        労働基準監督官
        (労働基準局
        長)      大島  靖君
        労働基準監督官
        (労働基準局監
        督課長)    上原誠之輔君
        労働事務官
        (職業安定局
        長)      堀  秀夫君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
八月十七日
 委員小澤佐重喜君辞任につき、その補欠として
 辻寛一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十八日
 委員辻寛一君が退職された。
同月三十一日
 委員古川丈吉君辞任につき、その補欠として世
 耕弘一君が議長の指名で委員に選任された。
九月一日
 委員世耕弘一君辞任につき、その補欠として古
 川丈吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員多賀谷真稔君辞任につき、その補欠として
 横山利秋君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員横山利秋君辞任につき、その補欠として多
 賀谷真稔君が議長の指名で委員に選任された。
同月九日
 委員加藤鐐五郎君、小林絹治君、中村三之丞君
 及び早川崇君辞任につき、その補欠として岡崎
 英城君、田中正巳君、遠藤三郎君及び木倉和一
 郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員遠藤三郎君、岡崎英城君、木倉和一郎君及
 び田中正巳君辞任につき、その補欠として中村
 三之丞君、加藤鐐五郎君、早川崇君及び小林絹
 治君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○山下(春)委員 もう一つ社会局長に具体的なことで伺っておきますが、昨年非常にささやかな精薄者福祉法というものをお作り願って、それでも精薄者三百万の人たちはほんとうに暗やみに急に太陽が上がったような喜びを感じておるようであります。しかしながら法律というものはできたらいいではなくて、ことしあたりから十分にその内容を充実してやらなければいけないと思うのでありますが、この精薄問題につきまして、来年度以降どのような推進政策を考えられ、実行しようとしておいでになるか、ちょっとその概況を承らしていただきます。
○太宰説明員 本年の四月から、おとなの精神薄弱者の方々の福祉をはかる精神薄弱者福祉法を制定していただきまして、全国の関係の方々は非常に大きな喜びと今後の期待とを持っておるように私どもも感じます。従来児童福祉の面において相当出ておりましたが、おとなの方々に対するこういう福祉対策の面について、やはりいささか足りなかった面があったであろうというふうに私どもも存じております。そういう面で、今後早急にこの精神薄弱――これはおとなも子供も変わりなく、この人たちの福祉をはかるために邁進して参りたいと思う場のでありますが、ただ現状を見ますると、全国に、援護をいたしまする施設の数が非常に不足しております。今年度あたりまで府県で持っております施設は六カ所くらい、そのほか若干の民間の施設はございますけれども、児童の場合に比べますと非常に福祉の施設として足りないという面もございます。私どもはまず手初めに精神薄弱者の援護施設というものを少なくとも全国の各府県に一カ所は持って、これを橋頭堡といたしましてその後の第二、第三の施策を立てて参るということで、特に重点を精神薄弱者の援護施設を各府県に早急に設置するということに置いて、ここ数年の間に、残りました四十の県にこれをぜひ設置していただきたい。まずこれが拠点となりまして、その後いろいろな施策が展開して参ることと思い、第一の拠点をここに置いて進んで参りたい。そのほか、精神薄弱者の方々の実態につきましても、なお十分把握いたしておらない面もございますし、またこの方々といえどもできるだけ社会に貢献し得るように、自立自活できるような職業――職業と申しましても百。パーセントのあれは期待できませんけれども、幾分でも自立できるという面、人間としての誇りを持っていただくというような面につきましても対策を進めて参りたい、かように考えておるわけであります。まず第一番の重点は府県に施設を早急に設置するということに置きたいと考えておる次第でございます。
○山下(春)委員 ぜひそう願いたいと思います。精薄者を持ちます家族は、ほんとうに一家心中をしようかというほどの悲劇を繰り返し、しかもその親たちは、死んでいったときにこのせがれは一体どうして生きていくだろうかという、ほんとうに親が命が終わるときには子供も一緒に連れていきたいような、全く精薄者の家庭でないとほかから想像のつかないような苦しみをしております。少なくとも局長の言われるように、各県に一カ所成人の精薄者の収容施設があって、その中で職業訓練等も熱心に行ないますれば、局長仰せの通り精薄者でも必ず社会人として相当な貢献をするところまでこれが訓練されていくということの実績も上がっておりますので、ぜひ強力にそれをお進め願いたいということを強くお願いをいたしておく次第であります。
 社会局長にもう一つお伺いいたします。これはまだ社会局長の方でも具体案がないと思いますが、同じ身体障害者の中で耳の聞こえない人があるのです。このろうあ者に対しても、これは身体障害者福祉法のワクの中にございますが、これまた大ていの人が目が見えますだけに、目が見えて何か言いたい、その意思表示が全然できない、耳も聞こえない、口でも言えないという人間の苦しみというものも、この中に飛び込まないとわからない容易ならざるものがあるのであります。私どもこの文明の世の中に電話という非常に便利なものがありますが、この電話を発明した人が実はろうあ者であることは局長御承知の通りであります。アメリカのベルという博士が作ったのが電話でありますが、この方は奥さんがろうあ者であった。そうして自分もろうあ者に近い、強いどもりの人だったそうでありますが、奥さんのろうあの生活に何か光を与えたいという非常な苦心の結果、電話というものが生まれたということになっております。このろうあ者に対して、前に政府で作ってもらいましたろうあ者のセンターみたいなものは、実は耳の聞こえない人たちだけの福祉の機関にと思ったのですが、だんだん運営していったら、そうでなく、普通の身体障害者の職業訓練所みたいなことになりまして、実は全国のろうあ――どのくらいでございましょうか、ほんとうに耳の聞こえない、もの言えない純粋なのは十三万余りでございましょうか、非常にどもりがきつくて耳もあまり聞こえないというように、ワクを広げれば二十五万以上おると思いますが、それらの人に対して――ベル博士が非常な苦心をして生まれてきたその電話というものは、耳の聞こえる人たちがその文明の恩典に浴しておるわけでありますが、そういうようなところから説き起こしまして、社会局というのは救世軍とは違うとおっしゃるかもしれませんが、やはりそういうところに深い根をおろさないと、厚生行政もほんとうに血の通った、国民がほんとうにあたたかい厚生省だという厚生省になかなかならないと思うのでありますが、その問題について、来年あたり、ぜひろうあ者のための、ほんとうに耳の聞こえない人たちの、手まねでいろいろやっておりますが、何てまあもどかしい人間の生活だろうと思いますが、それらに何かしてやろう――何かというのではいけないから私の方で題を出しますが、それらの人人にほんとうに中央のセンターで、ろうあ者だけの、将来はそれがろうあ者の老人ホーム等にも波及する構想として、中央センターを建設してやって、これらの人々にあたたかい生活をさせたらどうか、こういうふうに思います。前安田局長の時代にこれは相当具体化そうとしておったのが、局長おかわりになって、太宰局長になってからはわれわれ陳情にいきませんのでまだ具体的にお考えになっていないかと思いますが、政務次官どうでしょうか、一つそういうものを作っていただくことに、われわれ大いに協力しますから、厚生省一つ音頭をとっていただくわけにいかないでしょうか、政務次官のお考えを聞かせて下さい。
○太宰説明員 ろうあ者の問題も、あえて私からこと新しくお答えするまでもなく、ハンディ、しかも相当重いハンディを負って社会に生活されておる方の福祉を私どもできるだけ考えなければならぬことは当然でございます。お話しの通り、先年ろうあ者センターを設けまして、そこにおいてこの方々の福祉のやり方をさらに強化する方法を考えておるわけでございまして、今日なお十分であると申し上げられる段階でないことは私ども遺憾に思うのであります。お尋ねの、何か収容の施設というようなお話でございますが、この点につきましても、ただそういうところに収容するだけでなしに、その生活訓練をし、世間に奉仕する、がんばる力も与えるというような自立活動という面において一つやろうかと考えておりますが、その具体的な方法につきましてはなおしばらく検討をさせていただきたいと思うのです。先生の御高説も拝聴したいと考えております。
○山下(春)委員 私はまだ児童局やいろいろの方々に諸般のことで伺いたいことがたくさんありますが、私だけが時間を頂戴いたしましては社会党さんに申しわけありませんからこの辺で終わりたいと思いますが、要は、ことしは社会保障が非常に強力に大幅に推進される年のような感じが私たちはいたします。池田内閣もそのことのために全力を傾けているやに私どもも承知をいたしておるときでございますから、厚生省全体が一つふるい立って、強力にお進めを願って、むしろわれわれ党の方のおしりをたたいてもらって、そうしてまだいけない、まだいけないとわれわれを督励していただくような心がまえで、今年こそ、やろうと思っていた、きょうまでうっせきしていたものを一ぺんに爆発させて政策を推進するというかたい御決意を持って邁進されんことをお願いいたしまして私の質問を終わります
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/035/0188/03509090188003a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第141回国会 厚生委員会 第4号 平成九年十一月二十一日(金曜日)

1997年

第141回国会 厚生委員会 第4号
平成九年十一月二十一日(金曜日)
    午後一時一分開議
出席委員
  委員長 金子 一義君
   理事 佐藤 剛男君 理事 津島 雄二君
   理事 長勢 甚遠君 理事 根本  匠君
   理事 山本 孝史君 理事 金田 誠一君
   理事 児玉 健次君
      安倍 晋三君    江渡 聡徳君
      大村 秀章君    桜井 郁三君
      鈴木 俊一君    田村 憲久君
      戸井田 徹君    桧田  仁君
      堀之内久男君    松本  純君
      青山 二三君    大口 善徳君
      坂口  力君    福島  豊君
      桝屋 敬悟君    矢上 雅義君
      吉田 幸弘君    米津 等史君
      家西  悟君    石毛えい子君
      瀬古由起子君    中川 智子君
      鴨下 一郎君    土屋 品子君
      土肥 隆一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 小泉純一郎君
 出席政府委員
        厚生大臣官房長 近藤純五郎君
        厚生大臣官房総
        務審議官    田中 泰弘君
        厚生省健康政策
        局長      谷  修一君
        厚生省保健医療
        局長      小林 秀資君
        厚生省社会・援
        護局長     炭谷  茂君
        厚生省保険局長 高木 俊明君
 委員外の出席者
        文部省初等中等
        教育局特殊教育
        課長      辰野 裕一君
        厚生大臣官房障
        害保健福祉部長 篠崎 英夫君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部障害者雇
        用対策課長   村木 厚子君
        厚生委員会調査
        室長      市川  喬君
    ―――――――――――――
十一月十七日
 中小自営業者婦人の健康と母性保護、社会的・
 経済的地位向上に関する請願(白保台一君紹介
 )(第五〇一号)
 同(一川保夫君紹介)(第五二八号)
 同(坂上富男君紹介)(第五二九号)
 同(達増拓也君紹介)(第五三〇号)
 同(畠山健治郎君紹介)(第五三一号)
 同(石井郁子君紹介)(第六二三号)
 同(大森猛君紹介)(第六二四号)
 同(金子満広君紹介)(第六二五号)
 同(川内博史君紹介)(第六二六号)
 同(木島日出夫君紹介)(第六二七号)
 同(児玉健次君紹介)(第六二八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第六二九号)
 同(佐々木憲昭君紹介)(第六三〇号)
 同(佐々木陸海君紹介)(第六三一号)
 同(志位和夫君紹介)(第六三二号)
 同(瀬古由起子君紹介)(第六三三号)
 同(辻第一君紹介)(第六三四号)
 同(寺前巖君紹介)(第六三五号)
 同(中路雅弘君紹介)(第六三六号)
 同(中島武敏君紹介)(第六三七号)
 同(春名直章君紹介)(第六三八号)
 同(東中光雄君紹介)(第六三九号)
 同(平賀高成君紹介)(第六四〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第六四一号)
 同(藤木洋子君紹介)(第六四二号)
 同(藤田スミ君紹介)(第六四三号)
 同(古堅実吉君紹介)(第六四四号)
 同(松本善明君紹介)(第六四五号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第六四六号)
 同(山原健二郎君紹介)(第六四七号)
 同(吉井英勝君紹介)(第六四八号)
 公的臍帯血バンクの設立と血液事業法の制定に
 関する請願(神崎武法君紹介)(第五〇二号)
 子供の性的搾取・虐待をなくすための立法措置
 に関する請願(土井たか子君紹介)(第五〇三
 号)
 同(土井たか子君紹介)(第五二四号)
 医療等の改善に関する請願(畠山健治郎君紹介
 )(第五二五号)
 難病医療への自己負担導入反対に関する請願
 (土井たか子君外一名紹介)(第五二六号)
 同(中川智子君外一名紹介)(第五四四号)
 同(土井たか子君外一名紹介)(第五七〇号)
 同(中川智子君外一名紹介)(第六二二号)
 介護保険法案の抜本的修正に関する請願(児玉
 健次君紹介)(第五四一号)
 同(藤田スミ君紹介)(第五四二号)
 同(山原健二郎君紹介)(第五四三号)
 公的介護保障制度の早期確立に関する請願(木
 島日出夫君紹介)(第六一二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 精神保健福祉士法案(内閣提出、第百四十回国
 会閣法第九〇号)
 言語聴覚士法案(内閣提出第八号)
     ――――◇―――――
○矢上委員 新進党の矢上雅義でございます。
 桝屋議員に引き続きまして、両法案について質疑をいたしますが、まず、言語聴覚士法案、そしてまた精神保健福祉士法案、この両案につきまし
て、非常に重要な法案でもございますし、また、関係者の方々が十年以上にわたって待ち望まれた法案でございます。私は、この法案、大変敬意を表するべき法案であるのではないかと思っております。それはまず、関係団体の皆様方の努力がようやく実ったということでございます。
 ただ、私の今回の質問の立場としましては、重要な法案であるからこそ、法案に至るまでの制定過程、また、障害者等の置かれておる現状等をきっちりと踏まえながら、きちんと議事録に残す、また、この法案等に対して寄迂られた各種団体からの批判もきちんと御指摘いたしまして議事録に載せる、これが将来、この法案が成長していく上での糧になるのではないかと思いまして、そういう立場から質問をさせていただきます。
 まず、言語聴覚士法案についての質問でございますが、言語聴覚士、いわゆるSTを必要とする人たちの現状、言語や聴覚に障害を持たれておられる方々の現状はどのようになっておるのか、また、それらが抱えておる課題についてお聞きいたしたいと思います。
○谷(修)政府委員 言語聴覚士による治療といいますか、そういうことを必要とされる人の現状ということでございますが、そういう訓練等が必要な数ということで、主として医療機関におきます数としては大体百五万人というふうに推計をしております。これは、言語聴覚士、いわゆるSTの法制化に当たって、専門家に集まっていただいて検討を行いましたが、その検討の背景として委員の方に推計をしていただいたものでございます。
 具体的に障害の状態別に申しますと、音声障害あるいは構音障害を持つ方がそれぞれ約八万人、それから吃音、いわゆるどもりでございますが、吃音が約二万人、それから失語症を持っておられる方、これが約十二万人、それから、主としてお子さんが多いわけでございますが、言語発達、言葉の発達がおくれている方が約十一万人、それから脳性麻癖の方が約二万人、それから、特にお年寄りに多くなっております聴覚障害、これが約六十二万人というふうに推計をいたしました。これは、現時点での、こういったような障害を持っておられる方の数それから年齢別の数、そういうようなものを参考にして推計をしたものでございます。
 これらの障害を持っておられる方々は、実際には、現在、病院等の医療機関、それから身体障害者更生施設等のいわゆる福祉施設、それから聾学校、養護学校等の教育施設において治療あるいは訓練、検査を受けているわけでございますけれども、在宅で実際にどれぐらい訓練を受けているかということについては、率直に申し上げて、十分な把握はしておりません。
 現在、こういったような方々に対する指導、訓練につきましては、十分必要な数の言語聴覚士、いわゆるSTが確保されていない、また、しっかりした資格がないというようなことから、この法制化ということについては関係団体からも要望が寄せられてきたところでございます。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/141/0223/14111210223004a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第123回国会 予算委員会 第13号 平成四年四月八日(水曜日)

1992年

第123回国会 予算委員会 第13号
平成四年四月八日(水曜日)
   午前九時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月三日
    辞任         補欠選任
     粟森  喬君     乾  晴美君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     平井 卓志君
     木暮 山人君     斎藤 十朗君
     真島 一男君     斎藤栄三郎君
     穐山  篤君     種田  誠君
     岩本 久人君     前畑 幸子君
     西野 康雄君     吉田 達男君
 四月六日
    辞任         補欠選任
     及川 順郎君     白浜 一良君
 四月七日
    辞任         補欠選任
     井上 章平君     鎌田 要人君
     合馬  敬君     高橋 清孝君
     須藤良太郎君     野村 五男君
     野末 陳平君     星野 朋市君
     村沢  牧君     三上 隆雄君
     針生 雄吉君     中西 珠子君
     高崎 裕子君     小笠原貞子君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     高橋 清孝君     合馬  敬君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 太郎君
    理 事
                井上 吉夫君
                鹿熊 安正君
                前田 勲男君
                吉川 芳男君
                梶原 敬義君
                久保  亘君
                佐藤 三吾君
                太田 淳夫君
                吉岡 吉典君
    委 員
                石井 道子君
                石原健太郎君
                遠藤  要君
                合馬  敬君
                鎌田 要人君
                北  修二君
                斎藤栄三郎君
                斎藤 文夫君
                関口 恵造君
                田中 正巳君
                西田 吉宏君
                野村 五男君
                星野 朋市君
                國弘 正雄君
                小林  正君
                櫻井 規順君
                清水 澄子君
                種田  誠君
                細谷 昭雄君
                前畑 幸子君
                三上 隆雄君
                森  暢子君
                吉田 達男君
                白浜 一良君
                高桑 栄松君
                中西 珠子君
                小笠原貞子君
                乾  晴美君
                高井 和伸君
                井上  計君
                寺崎 昭久君
                下村  泰君
   国務大臣
       法 務 大 臣  田原  隆君
       外 務 大 臣  渡辺美智雄君
       大 蔵 大 臣  羽田  孜君
       文 部 大 臣  鳩山 邦夫君
       厚 生 大 臣  山下 徳夫君
       運 輸 大 臣  奥田 敬和君
       郵 政 大 臣  渡辺 秀央君
       労 働 大 臣  近藤 鉄雄君
       建 設 大 臣  山崎  拓君
       自 治 大 臣  塩川正十郎君
       国 務 大 臣  加藤 紘一君
       (内閣官房長官)
       国 務 大 臣  宮下 創平君
       (防衛庁長官)
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長  谷川 寛三君
       官)
       国 務 大 臣  中村正三郎君
       (環境庁長官)
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣  伊藤 博行君
       官房内政審議室
       長
       内閣官房内閣外
       政審議室長
       兼内閣総理大臣  有馬 龍夫君
       官房外政審議室
       長
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局  山崎宏一郎君
       職員局長
       内閣総理大臣官  高岡 完治君
       房審議官
       防衛庁参事官   高島 有終君
       防衛庁参事官   三井 康有君
       防衛庁長官官房  村田 直昭君
       長
       防衛庁防衛局長  畠山  蕃君
       防衛庁人事局長  坪井 龍文君
       防衛施設庁長官  藤井 一夫君
       防衛施設庁総務  竹下  昭君
       部長
       防衛施設庁施設  大原 重信君
       部長
       科学技術庁研究  井田 勝久君
       開発局長
       科学技術庁原子  石田 寛人君
       力局長
       環境庁長官官房  森  仁美君
       長
       環境庁企画調整  八木橋惇夫君
       局長
       環境庁自然保護  伊藤 卓雄君
       局長
       環境庁水質保全  眞鍋 武紀君
       局長
       国土庁長官官房  藤原 良一君
       長
       国土長長官官房  森   悠君
       会計課長
       法務省刑事局長  濱  邦久君
       法務省人権擁護  篠田 省二君
       局長
       法務省入国管理  高橋 雅二君
       局長
       外務大臣官房審  津守  滋君
       議官
       外務大臣官房審  畠中  篤君
       議官
       外務大臣官房文  木村 崇之君
       化交流部長
       外務大臣官房領  荒  義尚君
       事移住部長
       外務省アジア局  谷野作太郎君
       長
       外務省北米局長  佐藤 行雄君
       外務省欧亜局長  兵藤 長雄君
       外務省条約局長  柳井 俊二君
       外務省国際連合  丹波  實君
       局長
       大蔵省主計局長  斎藤 次郎君
       大蔵省主税局長  濱本 英輔君
       国税庁長官官房  浅見 敏彦君
       国税審議官
       文部大臣官房長  野崎  弘君
       文部大臣官房総  井上 孝美君
       務審議官
       文部省初等中等  坂元 弘直君
       教育局長
       文部省学術国際  長谷川善一君
       局長
       文部省体育局長  逸見 博昌君
       文部大臣官房総  大西 孝夫君
       務審議官
       厚生大臣官房老  岡光 序治君
       人保健福祉部長
       厚生省保健医療  寺松  尚君
       局長
       厚生省生活衛生  玉木  武岩
       局長
       厚生省薬務局長  川崎 幸雄君
       厚生省社会局長  末次  彬君
       厚生省児童家庭  土井  豊君
       局長
       厚生省保険局長  黒木 武弘君
       厚生省年金局長  加藤 栄一君
       厚生省援護局長  多田  宏君
       農林水産大臣官  馬場久萬男君
       房長
       運輸大臣官房長  豊田  実君
       運輸省運輸政策  大塚 秀夫君
       局長
       運輸省鉄道局長  井山 嗣夫君
       郵政大臣官房長  木下 昌浩君
       郵政大臣官房人  谷  公士君
       事部長
       郵政省貯金局長  松野 春樹君
       労働省労働基準  佐藤 勝美君
       局長
       労働省職業安定  若林 之矩君
       局長
       建設大臣官房長  望月 薫雄君
       建設大臣官房総  斎藤  衛君
       務審議官
       建設大臣官房会  近藤 茂夫君
       計課長
       建設省河川局長  近藤  徹君
       建設省道路局長  藤井 治芳君
       建設省住宅局長  立石  真君
       自治省行政局公  秋本 敏文君
       務員部長
       自治省行政局選  吉田 弘正君
       挙部長
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  杉原 正純君
       消防庁次長    渡辺  明君
   事務局側
       常任委員会専門  宮下 忠安君
       員
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○平成四年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成四年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成四年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○派遣委員の報告
    ―――――――――――――

○委員長(中村太郎君) 次に、小笠原貞子君の質疑を行います。小笠原君。
○小笠原貞子君 ちょうど二十年前のことですけれども、私はこの委員会で障害児にも教育を受ける権利があるということを訴えました。そして障害児は今では小中学校、この教育が義務化になり、そして高校部もできるというようなところになってまいりました。
 私、ことしで二十四年でございますが、二十四年間の国会議員活動の締めくくりの舞台としてこの予算委員会に立たせていただきました。私の政治信条の原点である障害者問題をテーマに集大成いたしまして、悔いのない論議を進めていきたいと思いますので、皆さんの御協力をぜひお願いいたします。
 さて、国際障害者年最終年に当たりまして、この十年間の取り組みの中で大きな問題としてクローズアップされてきたその課題、これは障害者の範囲のとらえ方が日本の場合には非常に狭いということでございます。
 そこでまずお伺いいたしますけれども、障害者の定義、範囲についてどのように見ておられますか。官房長官、厚生大臣、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 障害者の定義あるいは範囲についての御質問がというふうに考えておりますが、これは国それぞれによりまして、またそれぞれの国の施策の内容によりまして非常にさまざまな規定になっております。
 幾つか例を挙げてみますと、イギリスでは、これは一九四八年の国民扶助法あるいは一九七〇年の慢性病者及び障害者法、これによりまして、盲人、聾唖者及びその他の疾病障害、先天性障害などによる相当かっ永続する障害を有する者を障害者というふうに定義いたしております。フランス
では、一九七五年の障害者基本法によりまして、身体的、感覚的、精神的な不利益を負った者というふうな定義がございます。
 国連では、これは障害者ということではございませんが、障害についての理解を深め分類するために一九八〇年にWHOが提示しました国際障害分類試案というものがございますが、これによりますと、手足の切断や目が見えないといった身体的な機能障害が前提としてございまして、このような機能の障害があるために、本を読むというような通常の行動が困難であるという能力の障害、その結果として就職などの際に個人がこうむる社会的な不利、こういうものを障害というふうな概念でとらえておるようでございます。
○小笠原貞子君 大事な問題を私は伺おうと思ったんですよ。それで十分御連絡してあるはずなんです。厚生大臣も担当の大臣だし、総理がいらっしゃらなければ官房長官、その代理として当然出てきていただくということのために、日本としてはどういう範囲でとらえていらっしゃるかということなの。今の答えはこの後になるんですね、ちょっと先に出ちゃったんだけれども。担当の責任のある立場でどういうふうにとらえていらっしゃるか。いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 定義といいますか、もちろん定義でしょうけれども、その定義の範囲でございまして、ただこれは非常に広範でございまして、保健医療、福祉、雇用、教育と非常に広範にわたっております。したがいまして、その障害者の定義、範囲につきましても、何と申しますか、それぞれのよって立っているところによって違う。ちょっと私の言うのはおかしいですかな。
 例えば運輸省がどうなのかわかりませんけれども、何か乗り物に乗ろうとする場合に、その乗り物にどうしても障害があって乗れないという人とまたほかの場合とはそれぞれ障害によってその便、不便があると思うんです。したがって、そういうふうに非常に多岐にわたっているから、障害者とは一体どういうものか、範疇は何だと言われても、やっぱりそれぞれに多岐にわたっておりますから一口には言いにくい面があるんじゃないかと思います。
○小笠原貞子君 何とも心細い担当大臣だと言わざるを得ませんね。
 心身障害者基本法というのをおつくりになっていらっしゃいますよね。その心身障害者基本法では障害者というものをどういうふうに定義していますか、具体的に。
○政府委員(末次彬君) 心身障害者対策基本法におきましては、心身障害者というものにつきまして、「肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声機能障害若しくは言語機能障害、心臓機能障害、呼吸器機能障害等の固定的臓器機能障害又は精神薄弱等の精神的欠陥があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」という定義になっております。
○小笠原貞子君 その基本法で、精神障害者、てんかん、吃音、難病等は障害者の範囲に含まれますか。
○政府委員(末次彬君) ただいま御説明申し上げましたように、固定的機能障害あるいは精神薄弱等の精神的欠陥があるため長期にわたり日常生活または社会活動に相当な制限を受ける者ということでございます。したがいまして、一般的に難病あるいはてんかん等につきまして一定の肢体不自由あるいはその他の聴覚障害等の機能としてとらえた障害があれば、これは障害者としてとらえるわけでございますが、難病そのもので障害者になるかと言われればそれは該当しないということでございます。
○小笠原貞子君 精神障害者。
○政府委員(末次彬君) 精神障害者につきましても、一応医学的治療の済んだ精神障害のいわゆる緩解者、これにつきましてはこの対策基本法に規定する精神薄弱等の精神的欠陥を有する者に含まれるというふうに考えております。
○小笠原貞子君 それで先ほどの各国の定義が出てくるんです、ここで。
 日本の障害者の定義、範囲、基本法の中でこう書いてあるというので今伺いましたけれども、非常に狭いんですね、限定されて。欧米諸国は精神障害者、てんかん等は定義も施策にも身体障害者と同等に対象として対応しているんです。
日本の狭いとらえ方の背景には、憲法の法のもとに平等、幸福を追求する権利などの近代的な理念が行政に生かされていない、行き当たりばったりになっているからだと言わざるを得えません。日本では障害者の範囲に含まれていないさまざもな問題がここで生じているわけです。
 つまり、最大の問題は精神障害者などが福祉法の対象となっていないことであります。なぜかといえば、心身障害者福祉法などでは機能形態レベルだけでとらえ、能力の障害、社会的不利は考慮されていないからでございます。
 障害者に対する関係法律及び施策と、施策の対象となる障害者について、各大臣から御説明をいただきたいと思います。これは官房長官を除いた関係大臣全部関係ありますから、次々とお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(末次彬君) まず、身体障害者福祉法におきます身体障害者の定義でございますが、身体障害者福祉法では、「別表に掲げる身体上の障害がある十八歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたもの」ということになっておりまして、対象となる障害の種類は視覚障害、聴覚または平衡機能の障害、肢体不自由、心臓、腎臓、もしくは呼吸器または膀胱、直腸もしくは小腸の機能障害でございまして、その程度に応じまして一級から六級までの区分がございます。
○政府委員(若林之矩君) 障害者雇用促進法におきます障害者の概念でございますけれども、まず障害者という概念は、「身体又は精神に障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」であるとされておりまして、身体障害者という概念はこの「障害者のうち、別表に掲げる身体上の障害がある者をいう。」とされております。
 それから精神薄弱者につきましては、「障害者のうち、精神薄弱がある者であって労働省令で定めるもの」というふうになっておりまして、労働省令では厚生省の関係の機関等で精神薄弱者と判定された者をいうというふうに定められております。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生が配られた資料でも全部丸になっておると思いますが、憲法、教育基本術に言ういわゆる教育の機会均等という観点、あるいは先生も努力されて冒頭でおっしゃられたいわゆる義務教育という観点から、すべての方々に教育は保障されなければならないというふうに考えておりますので、そのように全部丸をつけていただくような形になっております。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/123/1380/12304081380013a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第113回国会 文教委員会 第11号 昭和六十三年十二月十五日(木曜日)

1988年

第113回国会 文教委員会 第11号
昭和六十三年十二月十五日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     木宮 和彦君     岡野  裕君
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     岡野  裕君     木宮 和彦君
 十二月十四日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     本岡 昭次君
     高桑 栄松君     中野 鉄造君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山 令肇君
    理 事
                仲川 幸男君
                林  寛子君
                粕谷 照美君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                小野 清子君
                木宮 和彦君
                山東 昭子君
                田沢 智治君
                竹山  裕君
                寺内 弘子君
                柳川 覺治君
                本岡 昭次君
                安永 英雄君
                高木健太郎君
                中野 鉄造君
                勝木 健司君
                下村  泰君
   国務大臣
       文 部 大 臣  中島源太郎君
   政府委員
       文部大臣官房長  加戸 守行君
       文部大臣官房総
       務審議官     菱村 幸彦君
       文部省生涯学習
       局長       齋藤 諦淳君
       文部省初等中等
       教育局長     古村 澄一君
       文部省教育助成
       局長       倉地 克次君
       文部省高等教育
       局長       國分 正明君
       文部省高等教育
       局私学部長    野崎  弘君
       文部省学術国際
       局長       川村 恒明君
       文部省体育局長  坂元 弘直君
       文化庁次長    横瀬 庄次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐々木定典君
   説明員
       人事院事務総局
       職員局職員課長  武政 和夫君
       大蔵省主計局主
       計官       福田  誠君
       文部大臣官房審
       議官       熱海 則夫君
       厚生省児童家庭
       局母子福祉課長  炭谷  茂君
       郵政省放送行政
       局業務課長    團  宏明君
       労働省婦人局婦
       人福祉課長    堀内 光子君
       自治省行政局公
       務員部公務員第
       一課長      石川 嘉延君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (幼児教育の重要性とその対策に関する件)
 (小・中学校のNHK受信料免除廃止問題に関する件)
 (児童・生徒の登校拒否の原因とその対策に関する件)
 (障害を持つ海外子女の教育に関する件)
 (高石前文部事務次官に関する件)
 (私学助成制度の堅持・拡充に関する件)
    ─────────────
○下村泰君 この言語障害児というのは、私子供の時分にやっぱり経験もあるんですが、通常言語障害というのは吃音とかあるいは脳性麻痺とか、そういう病気によって思うようにしゃべれない、あるいは知恵おくれのお子さん、こういうふうに考えておったんですが、そうでない子がまたいるんですね。例えば早口になってしまって言葉が言えない。だから卵とは言えない。タ、タ、タ、タとなるんですね。どもるのとはまた違うんですね。そうかと思うと今度は空気が抜けるみたいにターマゴというようなこと。そういったいろいろな言語障害のお子さんがいらっしゃる。こういうお子さんに対する教育というのは大変なものだと私は思うんです。
 これは文部省が昭和五十八年に出しているものです。その中に「言語障害児の教育の場は、その子供の障害の状態によって様々です。精神発達遅滞に伴う言語障害児は精神薄弱養護学校で、脳性まひに伴う言語障害児は肢体不自由養護学校で、聾児、難聴児は聾学校や難聴特殊学級で、また情緒障害に伴う言語障害児は情緒障害特殊学級においてそれぞれ教育されています。他の障害を伴わない言語障害児は、おおむね通常の学級で学習をしながら、その障害に即した特別の指導を言語障害特殊学級で受けています。」この「他の障害を伴わない言語障害児」というのが私が言ったことなんですけれども、こういう子供たちというのは、ほかの学問に対しての知能指数というのは別に低いわけでも何でもないですね。むしろ中には非常に頭のいい子がおる。ただ、頭いい子なんだけれども、人とお話をするときはお話がうまくできない。そのために特殊学級へ通う。
 養護学校とか、今申し上げたその中にある特殊学級に通う子供はいいわけですけれども、例えばほかの特殊学級へ、ほかの学校に、自分の校区じゃない方の校区に特殊学級があって、そこへ通わなきゃならない。先ほど局長がおっしゃった。中には自分のおうちを売り払ったりして自分の子供の言語障害教育のためにクラスのある校区へ引っ越す方もいらっしゃる。引っ越せる方はいいんですよね。引っ越しのできない経済状態にある子供はどうするかということ。今おっしゃったように、そういう子供さんがだんだん少なくなれば統廃合しなきゃならないとなって、統廃合されたあげくの果てが通えないような状態になったらどうするかという問題があるわけですね。こういうことどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(倉地克次君) 定数上の観点からまいりますと、私ども一人でも障害児がおられた場合には特殊学級が編制できることにはなっている次第でございます。ただ、実際問題といたしまして定数にも限度がございますので、市町村は都道府県とよく相談しまして、一定数の障害児がお集まりになった学校に特殊学級を置くというようなことをやっているかと思う次第でございます。
 ただ、今先生がおっしゃいましたように、もう遠くなってどうしても通えないというような実態があれば、その辺は市町村におかれてもよくその辺を把握されて、特殊学級の設置の方針について弾力的にお考えいただく必要があるんじゃないかというふうに考える次第でございます。そういう点につきまして、今先生の御質問もあったことをよく会議などで伝えまして、その辺について市町村、都道府県も弾力的に対応できるようにひとつ指導してまいりたい、かように思っております。
○下村泰君 ありがとうございます。こういう問題というのは、やらなきゃならないという際立って、何といいますか、押しつけがましくできる問題でもないし、やっぱり人間の問題ですからね、根底にあるものは。ですから、各地方自治体でもそういったことに対しては、弾力的なんという言葉あるけれども、融通きかしてうまいこと処置していただけるようにひとつ御指導のほどをお願いしておきます。
 そこで、大臣、こういうのがあるんですがね。カラオケを使って大変うまく効果が上がっているというのが出ているんですけれども、長崎市の長崎大附属養護学校、ここでカラオケを使ってやりまして、子供たちが歌が大好きで、自分から進んでマイクを持って人前で歌うことが自閉症などの克服に役立っている。それから、この学校に錦戸良久さんという教頭がいらっしゃるんですけれども、「一言もしゃべらなかった子がカラオケセットを使って人形劇のナレーターをやったり、脳性マヒで言葉が不自由な子がリズムに合わせて体を揺するなど、自己発表できるようになった。国語の時間には音楽を通じて言葉の勉強も、とカラオケの利用状況を説明する。」、こういう効果も上がっているんですね。
 それから、宇都宮市にある栃木県立野沢養護学校はことしの三月にやっぱりカラオケを購入して、脳性麻痺による言語障害の児童生徒が多く、積極性を養うのが目的なんですが、「伴奏のリードがあって、エコーがかかるカラオケは、吃音の子もあまり緊張せずに歌うことができる。」んだそうです。卒業して社会に出て、カラオケで一曲求められることがあった。そういうふうにまで歌えるようになったというんですね。それから、ある学校でこんなことを言っていますね。長崎県の諫早市の県立諫早養護学校で、この六月に購入したばかりですが、この校長先生が「私もちょっと首をひねったが、厚生設備としてこの程度ならいいんじゃないか、と思った。障害児はどうしても人見知りで、孤独になりがち。ひととふれあう、という意味からもカラオケの効果があるだろう」と、こういうふうにおっしゃっている。それで文部省特殊教育課のお話。「障害児の能力開発にはさまざまな試みが行われているが、カラオケというのは珍しい。音楽を使っての指導、ということだが、どんなアプローチが出来るのか、興味深い。ただ、カラオケセットを公費による補助対象教材とするにはまだどうも……」と、もう何か銭を取られるんじゃないかと思って逃げているんですね、ここのところも。まだそこまでいってないんです。
 こういったように、意外とこういうことが効果が上がって、いつかも大臣にもお話ししましたけれども、アメリカから来たエアロビクスの先生に、まるで縛帯されて、縛られている子供さんの前でエアロビクス体操と。すると、何の効果もないだろうと私は申し上げて恥かいたんですけれども、とにかく体を動かそうとするだけでも効力があるんだから、まして言語障害といったような子供さんたちがこういうことで効果があるとすれば、やはりこれ何か考えなきゃならないんじゃな
いかなというふうな気がするんですけれども、いかがでしょうか。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/113/1170/11312151170011a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第065回国会 内閣委員会 第19号 昭和四十六年五月十九日(水曜日)

1971年

第065回国会 内閣委員会 第19号
昭和四十六年五月十九日(水曜日)
   午後二時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田口長治郎君
    理 事
                塚田十一郎君
                安田 隆明君
                足鹿  覺君
                上田  哲君
    委 員
                源田  実君
                佐藤  隆君
                長屋  茂君
                山本茂一郎君
                渡辺一太郎君
                森  勝治君
                矢山 有作君
                峯山 昭範君
                岩間 正男君
   国務大臣
       文部大臣臨時代
       理        秋田 大助君
   政府委員
       行政管理庁行政
       管理局長     河合 三良君
       防衛施設庁施設
       部長       薄田  浩君
       沖繩・北方対策
       庁長官      岡部 秀一君
       文部政務次官   西岡 武夫君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部大臣官房会
       計課長      須田 八郎君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省社会教育
       局長       今村 武俊君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       大蔵省理財局国
       有財産第二課長  柴田 耕一君
       文部省初等中等
       教育局特殊教育
       課長       寒川 英希君
       厚生省児童家庭
       局母子衛生課長  浅野 一雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○上田哲君 これは直ちにどうしろというような短兵急な話じゃなくて、もともと基本の考え方ですから、その方向がよかろうというふうにお考えいただけるのであれば、いろいろな要素もくみながら、ぜひやはり考え方の基本として、何か切り落とし除外というような判定委員会じゃなくて、吸い上げ、あるいは適性教育、そこへ行くのでしょうから、そういうものとしての適応性をよりよく発見していくという方向へひとつ考え方を持っていっていただく、またそれをいつか具体化していただくということに御努力をいただけるものだというふうに理解いたします。それはぜひお願いいたします。
 そこでそういういろいろなことがありますけれども、たとえば皆さま方も困るだろうし、私どももとほうにくれるのが幾つもありますね。一体これが政治の責任かと言っても、すぐその前に医学はどうしているんだとか、人間の寿命はどうなんだというような部分がありますよ。しかし、そこへ向かってどうするかという努力をだれかがしなければならぬとすると、やっぱりこっちから向かっていくんでしょうが、問題を提起しながら切ない気持ちになるけれども、たとえば進行性筋ジストロフィーなんという例がありますね。これは現場の先生から伺った例だけれども、先生が、皆さん一生懸命勉強してりっぱなおとなになりましょうと言うと、ぼくたちはおとなになる前に死んでしまいますから、りっぱなおとなになることができません、どうしたらいいんですかと、こういうような話が現実にあるそうですね。答えようもないだろうし、そこの教育をどうするのだと詰めてみても、これはよりよい教育の前に医学の問題でしょうから、むずかしさはあると思います。
 あるいはようやくいま入学年齢に到達した胎児性水俣病の子供たちの悲しい訴え、こういう子供たちに一体どういう適応性の開発と教育論を立てるかという問題は、これはやっぱりゆるがせにできない問題だということを御指摘する以外にありません。国鉄の合理化で切符販売機がふえておるんで、これで悲しんでいる人と喜んでいる人があるというんですね。ぼくらから見ると、何か笑えないユーモアというんですかね、ということになってしまうのだが、その世界からすると、これがたいへんな話題なんだそうですよ。たとえば切符販売機が出てきたので非常に不便になったのが目の不自由な方、これはわからないですからね。それから喜んでいる人は吃音の人だ。窓口に行って行く先がなかなか出てこないんだが、自動販売機であればいいと。この世界ではこうしたことでもたいへんな悲喜劇が出てくるんだ。だから切符販売機についてもそういう配慮をしろということがいま一般論として言えるかどうかはわからぬけれども、やっぱりこの部分から見た行政とかコースとか、こういう配慮というのは一つ一つ拾い上げていただくということは、ぜひともこれは必要だろうと思うんですよ。これはどう考えますかね。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/065/1020/06505191020019a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第058回国会 社会労働委員会 第14号 昭和四十三年五月十六日(木曜日)

1968年

第058回国会 社会労働委員会 第14号
昭和四十三年五月十六日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     黒木 利克君     小柳 牧衞君
     林   塩君     小林  章君
     佐田 一郎君     青田源太郎君
     植木 光教君     宮崎 正雄君
     玉置 和郎君     田村 賢作君
     丸茂 重貞君     北畠 教真君
     佐野 芳雄君     秋山 長造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本伊三郎君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                大橋 和孝君
                藤田藤太郎君
    委 員
                青田源太郎君
                植木 光教君
                北畠 教真君
                小林  章君
                小柳 牧衞君
                紅露 みつ君
                田村 賢作君
                船田  譲君
                宮崎 正雄君
                山本  杉君
                横山 フク君
                秋山 長造君
                杉山善太郎君
                藤原 道子君
                小平 芳平君
                中沢伊登子君
   衆議院議員
        修正案提出者  佐々木義武君
       発  議  者  田辺  誠君
       社会労働委員長
       代理理事     橋本龍太郎君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  園田  直君
       労 働 大 臣  小川 平二君
   政府委員
       厚生政務次官   谷垣 專一君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省医務局長  若松 栄一君
       厚生省社会局長  今村  譲君
       厚生省援護局長  実本 博次君
       労働大臣官房長  石黒 拓爾君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省職業安定
       局長       有馬 元治君
       労働省職業訓練
       局長       和田 勝美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       厚生省公衆衛生
       局企画課長    江間 時彦君
       労働省労働基準
       局賃金部長    渡辺 健二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○最低賃金法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○最低賃金法案(小平芳平君外一名発議)
○最低賃金法案(衆議院送付、予備審査)
○参考人の出席要求に関する件
○身体障害者福祉法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○国立光明寮設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○理容師法及び美容師法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○大橋和孝君 その次には、聴力言語障害児の対策について少し伺ってみたいと思います。国立のものといたしましては、東京にセンターが一つあるだけで、聴覚障害児は二万五千人ぐらいもいる、十八歳以上の者を合わせますと、二十二万九千になるといわれております。ろうあ学校への就学率は七〇%であるという報告を聞いておりますから、三〇%の七千五百人の子どもは学校教育を受けていない、こういうことになるわけであります。それから言語障害児の訓練は就学年齢以前にやらないとおそきに失するといわれておるわけでありますからして、こうした教育制度といいますか、そういうものはより一そう重大な意義を持つわけであります。医者は訓練にまで手が回りませんので、STの養成計画、こういうようなものも必要になってくる、こういうことになるわけであります。これにつきましては、文部省の対策もあわせて、どういうふうにこれは組んでおられるのか。文部省もおそらくいろいろやっておられる。文部省の報告の中でも見ておりますが、まず厚生省のほうではこういうようなものに対しての対策というのは非常に大事じゃないかと思うのです。これが非常に手薄になっている。こういう点もあわせて聞いておきたいと思います。
○政府委員(今村譲君) 御指摘のように、大きく見ますと、いろんな実態調査がありますけれども、数年前でありますか、アメリカの白亜館会議で言語障害の国際会議がありました。そのときに、総人口の〇・五%ぐらいはどこの国でもあるのではないかというような議論があったそうでありますけれども、その計算でまいりますと、日本でも四十五万ぐらいあるのじゃないか、こういうことでございます。しかし、現実には、身体障害者の身障手帳をもらうというところまで来ておりませんので、来ているのは二万八千とか三万という数字でございまして、これはおもにどもりのことでありますが、言語症障害は、聴覚、言語障害両方で二十万人というふうなかっこうであります。これにつきましては、アメリカあたりでは、二百以上の大学で言語治療養成課程というふうなのがありまして、一九六〇年の調査でありますけれども、約一万人が言語治療養成課程修了の資格者ということでありまして、障害児の三四%がそういう非常に根気のよい教育を受けておるという状況であります。ところが、日本の場合におきましては、文部省で、ろう学校が百一校、一万八千人ということで、これはそれなりのいろいろの努力をしておられるわけですけれども、そのほかに、この対象にならないような、いわゆる吃音とか、中程度以下の軽い言語障害というのが相当放置されております。それが養護学校あたりへ参る場合もありますけれども、その点の力も入れるようにしなければならぬ。国で持っておりますろうあの聴力言語障害センター、颯田先生が所長でありますけれども、ここにそういう言語障害治療のいわゆる教育研修の機関をつくりたいというふうに私ども考えております。それから文部省は文部省で直接の機関を持っておりますので、各大学のそういう部門にしかるべき先生を委託学生ということで相当数出しております。その辺、文部と組みまして、言語障害の治療対策あるいはその先生の養成ということに進んでまいりたい、こういうふうに考えております。

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第055回国会 決算委員会 第2号 昭和四十二年三月二十二日(水曜日)

1967年

第055回国会 決算委員会 第2号
昭和四十二年三月二十二日(水曜日)
   午前十一時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     鬼木 勝利君     北條 雋八君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          鶴園 哲夫君
   理 事
                中村喜四郎君
                温水 三郎君
                大橋 和孝君
                二宮 文造君
   委 員
                木内 四郎君
                久保 勘一君
                黒木 利克君
                佐藤 芳男君
                柴田  栄君
                高橋文五郎君
                仲原 善一君
                小野  明君
                大森 創造君
                佐野 芳雄君
                柴谷  要君
                達田 龍彦君
                北條 雋八君
                石本  茂君
   政府委員
       警察庁刑事局長  内海  倫君
       法務省訟務局長  青木 義人君
       大蔵省国有財産
       局長       松永  勇君
       厚生政務次官   田川 誠一君
       厚生大臣官房長  梅本 純正君
       厚生大臣官房会
       計課長      高木  玄君
       厚生省医務局長  若松 栄一君
       厚生省社会局長  今村  譲君
       厚生省児童家庭
       局長       渥美 節夫君
       厚生省年金局長  伊部 英男君
       自治政務次官   伊東 隆治君
       自治省行政局長  長野 士郎君
        ─────
       会計検査官    白木 康進君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       厚生省医務局次
       長        戸沢 政方君
       通商産業省重工
       業局次長     赤澤 璋一君
       会計検査院事務
       総局第三局長   斉藤 信雄君
       会計検査院事務
       総局第五局長   佐藤 三郎君
   参考人
       医療金融公庫総
       裁        安田  巖君
       社会福祉事業振
       興会理事     甲賀 春一君
       社会福祉事業団
       理事       杉山 二郎君
       日本赤十字社衛
       生部長      北村  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和三
 十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十九年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十九
 年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣
 提出)
○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第五十一回国会内閣提出)
○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第五十一回国会内閣提出)
    ―――――――――――――

○政府委員(今村譲君) この予算は、三千万は、三十六年度予算についたわけでありますが、その前、三十五年ごろ、あるいはもうちょっと前かと思いますけれども、たとえば現在の身体障害者福祉法におきましては、手がないとか、足がないとか、あるいは目が見えない、耳が聞こえないというふうな身体障害者を対象としたある程度の施設はできておりますが、ろうあ者については、まあ普通の人と、なかなか見た目でもそう変わらぬというので、県でも一生懸命やってくれない。手足がないとか、目が見えぬというのは一生懸命やってくれるということでありまして、実は非常に弱いんです。文部省のろうあ学校というのが若干あるというだけで、厚生省としても積極的になかなか手が打てないというふうなときに、全国のろうあ関係の人がたの強い御意見があって、少なくとも政府はろうあ行政、これは吃音も入ると思いますけれども、ろうあ行政を大きく打ち出してくれなければへんぱではないかと、肢体不自由、あるいは盲人というふうなものはいろいろできておる、こういうふうな強い要望もあり、当時しばしば決議や何かがなされまして、厚生省としましても、何かそういうふうなものがなければならぬと言っておりますところに、ちょうどいまのベル福祉協会の前身、前身といいますか、まだ固まってないうちで、ろうあ者団体が打って一丸となったものの要望として、東京に全国のろうあ者の会館をつくってくれと、こういうふうな要望が出てまいったと、それから予算が出発したというふうに聞いております。経緯としてはそれだけです。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/055/0106/05503220106002a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第026回国会 予算委員会 第16号 昭和三十二年三月二十五日(月曜日)

1957年

第026回国会 予算委員会 第16号
昭和三十二年三月二十五日(月曜日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員田中茂穂君、佐野廣君及び海
野三朗君辞任につき、その補欠として
小山邦太郎君、前田佳都男君及び久保
等君を議長において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     苫米地義三君
   理事
           迫水 久常君
           左藤 義詮君
           小林 武治君
           堀木 鎌三君
           吉田 萬次君
           天田 勝正君
           中田 吉雄君
           吉田 法晴君
           森 八三一君
   委員
           青柳 秀夫君
           石坂 豊一君
           泉山 三六君
           木村篤太郎君
           小山邦太郎君
           佐藤清一郎君
           柴田  栄君
           高橋進太郎君
           土田國太郎君
           苫米地英俊君
           仲原 善一君
           野村吉三郎君
           野本 品吉君
           林田 正治君
           前田佳都男君
           武藤 常介君
           内村 清次君
           岡田 宗司君
           久保  等君
           栗山 良夫君
           小林 孝平君
           佐多 忠隆君
           中村 正雄君
           羽生 三七君
           松浦 清一君
           山田 節男君
           湯山  勇君
           加賀山之雄君
           梶原 茂嘉君
           千田  正君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   内閣総理大臣
   外 務 大 臣 岸  信介君
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
   厚 生 大 臣 神田  博君
   農 林 大 臣 井出一太郎君
   通商産業大臣  水田三喜男君
   運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君
   労 働 大 臣 松浦周太郎君
   国 務 大 臣 宇田 耕一君
   国 務 大 臣 小滝  彬君
   国 務 大 臣 田中伊三次君
  政府委員
   法制局長官   林  修三君
   公正取引委員会
   委員長     横田 正俊君
   防衛庁防衛局長 林  一夫君
   防衛庁経理局長 北島 武雄君
   防衛庁人事局長 加藤 陽三君
   経済企画庁開発
   部長      植田 俊雄君
   外務参事官   法眼 晋作君
   大蔵省主計局長 森永貞一郎君
   大蔵省管財局長 正示啓次郎君
   大蔵省銀行局長 東條 猛猪君
   厚生省社会局長 安田  巌君
   農林大臣官房長 永野 正一君
   農林省農地局長 安田善一郎君
   食糧庁長官   小倉 武一君
   通商産業大臣官
   房長      松尾 金藏君
   運輸省鉄道監督
   局長      權田 良彦君
   運輸省鉄道監督
  局国有鉄道部長  細田 吉藏君
   労働省労政局長 中西  實君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
  説明員
   日本国有鉄道副
   総裁      小倉 俊夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十二年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十二年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十二年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――

○森八三一君 時間がなくなりましたので、私の質問はまだだいぶ残っておりますが打ち切ります。打ち切りますが、今の競輪の問題につきましては、院の決議というものの受け取り方にかなり認識の相違があると思うのです。あのときに私どもは少くとも経過的に考えなければならぬことだから、五カ年間というような期間を付して時限法にかえてしまえという、そういう論議をしたこともありますが、そこまで縛るということはいかがかということで、やめるということを前提にして、政府の善処を求めたといういきさつでございますので、そのいきさつをさらに十分一つお考えをいただきまして、今後の方針について再検討を願いたいと思います。
 最後に、大蔵大臣に一点お伺いいたしたいと思いますのは、二十四国会でありましたか、農地開発機械公団とか愛知用水公団ができるときに、その事業の資金を余剰農産物に依存をしているというような姿でございましたので、アメリカからの農産物が将来にわたって長く入ってくるということにはならぬ場合も考えられるだろう。そういう場合に、この問題の措置をどうするかということについて、しばしば論議を尽し、外務委員会と農林水産委員会との間の連合委員会を開くとか、あるいは高碕経審長官の出席を求めて、計画上どういうように考えているかとかいうような、いろいろの議論をやりまして、この仕事についてはいかなる事態の変遷があろうとも、計画の年次中に所期の成果をあげることにはっきりと政府は腹をきめております、こういうような御答弁がありましたので、そこで画期的なこの仕事のために、われわれは法律の通過なりその他に賛成をいたして参ってきているのでありますが、政府内部におけるいろいろの調査なり研究なりが十分でなかっよというようなことから、国会に示されました事業計画の予算というものに、ある程度の変更を加えなければならぬというような事態に直面をいたしておりまするために、計画上考えられておりました世界銀行からの借り入れ等も遅々として進まないというようなことのために、この事業が停頓をしている。そのために、いろいろと新聞紙なんかにも、もうこの仕事はやめてしまうのではないかというような誤まった認識のもとに報道がせられているというようなことから、関係の人々は非常な焦燥の念にかられているということでありますが、世銀の借り入れあるいは本年度の事業計画、将来に向っての事業計画に要する資金の調達については、高碕経審長官なり当時の河野農林大臣が国会で表明されました趣旨というものとは、いささかも変更がないということを確信するのでありますが、それについての御意向を承りたい。これが一点であります。
 それから厚生大臣に一点お伺いいたしますが、現在恵まれない盲ろうあ者等については、十分ではありませんが、国といたしましてもいろいろの手が差し伸べられているということであり、さらにこういう点については十分拡充をしていかなければならぬと思いますが、一つ忘れられているのは、吃音者の問題が十分国としては考慮されておらぬ。これは判定が非常にむずかしいではありましょうけれども、おしの人ほど難儀はしておらぬではありましょうけれども、やはり身体障害者として、何らかの措置をしてやる。私専門家じゃございませんからよくわかりませんが、承りますと、ごく簡単な矯正をすれば救済し得るという道が開かれるということであります。こういうことについては、将来国として厚生事業の一環として取り上げていくという御意思がございますかどうか。その点をお伺いいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 余剰農産物の第三次の分を受け入れないことになりましたので、二十四国会におきまして御審議願いました愛知用水の問題が、今後どうなるかという御質問だと思います。御質問の要点は、安い金利の金がふんだんに来ないじゃないか、こういう問題と、計画通りに事業が進まぬじゃないか、こういうことだと思います。
 で、第一の低金利の金がふんだんにこないということにつきましては、将来余剰農産物というものは全然ないということを前提にいたしました場合におきましても、資金運用部の金をこれに注ぎ込みたい。そうしてそれは金利が点い。従って四分か四分五厘で借りておったのが、六分二、三厘、五厘になっては負担が違う。こういう問題につきましては、安い金利の分の償還を延ばすという方法を今考えておるのであります。また、愛知公団の負担を少くしますために、事務費を国の負担を多くしよう、こういうことも考えておるのであります。ただいま余剰農産物が将来永久にないのだとも断定できませんが、ない場合におきましても、当初の計画が遂行できるように、政府としては措置をとっていきたい。第二の事業計画が実際にいっていない、物理的に少しおくれたのじゃないか、こういうことは、やはりああいう事業の施行に当りましては、初めの一、二年はおくれやすいのでございます。われわれは、できるだけ隘路を排除しまして、事業を進めていきたいと考えております。
○国務大臣(神田博君) 吃音矯正につきましては、お説の通りほとんど今まで手をかけておらないようでございます。今度のこの予算の中に、国立ろうあ者更生指導所、これを計上されておりまして、ここで一つ取り上げまして検討いたしたいと、こういう考えでございます。この吃音の原因につきましては、いろいろ複雑なようでございます。よく一つ、御趣旨私ども同感でございますので、今度できます指導所で、十分検討いたしまして、とり上げて参りたいと、こういう方針でございます。御了承願います。
○委員長(苫米地義三君) 本日は、これにて散会いたします。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/026/0514/02603250514016a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 番外編 第019回国会 文部委員会 第20号 昭和二十九年四月十三日(火曜日)

1954年 吃音には関係ない会議録、吃音者が証人として自己紹介。

第019回国会 文部委員会 第20号
昭和二十九年四月十三日(火曜日)
   午前十時十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     川村 松助君
   理事
           剱木 亨弘君
           加賀山之雄君
           荒木正三郎君
           相馬 助治君
   委員
           雨森 常夫君
           木村 守江君
           田中 啓一君
           高橋  衛君
           中川 幸平君
           吉田 萬次君
           杉山 昌作君
           高橋 道男君
           岡  三郎君
           高田なほ子君
           永井純一郎君
           石川 清一君
           長谷部ひろ君
           須藤 五郎君
           野本 品吉君
  委員外議員    安部キミ子君
  国務大臣
   文 部 大 臣 大達 茂雄君
  政府委員
   文部政務次官  福井  勇君
   文部省初等中等
   教育局長    緒方 信一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       竹内 敏夫君
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
  証人
   岩手県一関小学
   校教頭     横山 庚夫君
   岩手県一関小学
   校P・T・A運
   営委員     橋本 種仁君
   高知県立山田高
   等学校長    生永 利正君
   高知県立山田高
   等学校P・T・
   A会長     三木 秀雄君
   北海道根室中標
   津町長     横田 俊夫君
   北海道教職員組
   合副委員長   星野 健三君
   北海道武佐中学
   校P・T・A副
   会長      清原庄太郎君
   元山口県教職員
   組合委員長現山
   口市大殿中学校
   教諭      綿津 四郎君
   山口県教育委員
   会教育長    野村 幸祐君
   岩国市愛宕小学
   校P・T・A会
   長       藤岡 武雄君
   岩国市教育委員
   会委員     丸茂  忍君
   山口県安下庄町
   教育委員会教育
   長       原田 弌雄君
   山口県安下庄町
   小学校P・T・
   A副会長    山本 保夫君
   山口県安下庄高
   等学校P・T・
   A副会長    村上 義晴君
   山口県安下庄小
   学校長     安本  薫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○義務教育諸学校における教育の政治
 的中立の確保に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○教育公務員特例法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
 (右二件に関し証人の証言あり)
  ―――――――――――――

○証人(原田弌雄君) 私は相当ひどい吃音でありますので、いろいろ話に聞き苦しいところがあるかと存じますが、どうぞ御了承願いたいと存じます。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/019/0804/01904130804020a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第019回国会 予算委員会第三分科会 第1号 昭和二十九年三月二十四日(木曜日)

1954年

第019回国会 予算委員会第三分科会 第1号
昭和二十九年三月二十四日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
  ―――――――――――――
三月二十三日予算委員長において、左
の通り分科担当委員を指名した。
           石坂 豊一君
           泉山 三六君
           大谷 贇雄君
           高橋  衛君
           白井  勇君
           酒井 利雄君
           小林 武治君
           村上 義一君
           中山 福藏君
           藤原 道子君
           湯山  勇君
           加藤シヅエ君
           相馬 助治君
           苫米地義三君
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員酒井利雄君辞任につき、その
補欠として、横山フク君を予算委員長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   主査      相馬 助治君
   副主査     高橋  衛君
   委員
           石坂 豊一君
           大谷 贇雄君
           白井  勇君
           横山 フク君
           小林 武治君
           中山 福藏君
           藤原 道子君
           湯山  勇君
           加藤シヅエ君
           苫米地義三君
   担当委員外委員 佐多 忠隆君
  国務大臣
   文 部 大 臣 大達 茂雄君
   厚 生 大 臣 草葉 隆圓君
  政府委員
   内閣総理大臣官
   房会計課長   三橋 信一君
   皇室経済主管  三井 安弥君
   調達庁総務部会
   計課長     横山 正臣君
   文部大臣官房会
   計課長     内藤誉三郎君
   文部省初等中等
   教育局長    緒方 信一君
   文部省大学学術
   局長      稲田 清助君
   文部省社会教育
   局長      寺中 作雄君
   文部省調査局長 小林 行雄君
   文部省管理局長 近藤 直人君
   文化財保護委員
   会事務局長   森田  孝君
   厚生大臣官房会
   計課長     堀岡 吉次君
   厚生省公衆衛生
  局環境衛生部長  楠本 正康君
   厚生省薬務局長 高田 正己君
   厚生省社会局長 安田  巌君
   厚生省児童局長 太宰 博邦君
   厚生省保険局長 久下 勝次君
   引揚援護庁次長 田辺 繁雄君
  事務局側
   参     事
   (庶務部長)  渡辺  猛君
   常任委員会専門
   員       野津高次郎君
  衆議院事務局側
   参     事
   (庶務部長)  久保田義麿君
  国立国会図書館側
   参     事
   (管理部経理課
   長)      大山  寛君
  説明員
   厚生省医務局次
   長       高田 浩運君
   最高裁判所事務
   総局経理局長  岸上 康夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○正副主査の互選
○昭和二十九年度一般会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和二十九年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和二十九年度政府関係機関予算
 (内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――

○中山福藏君 折角分科会を開かれましたから大臣にちよつとお伺いをしておきたいのですが、実はこの聾学校とか、聾唖学校とかいう名前は皆予算面に現われているんですが、ところが百万を数えております吃音者に対する学校の設備というものはないわけですね。これは大体百万人ぐらいいるんです。で、ドイツのこの状態を研究して見ますと、相当にこれはうまく国家が世話をしているわけです。ところが日本ではもうこれは放りぱなしです。で、先だつて新聞に出ておりましたように、中には自分は不具者じやないかと思つて自殺する人があるわけです。湯山さんが非常にこの点に力を入れられて相当直つた人がある。こういうことは新規の事業として将来文部省でおやりになるということも必要ではないかと考えております。非常に卑屈になるんですね、吃音者というものは…、それで結局神経衰弱とかいろいろなものになりまして、社会的に非常にすべての行動が鈍るというようなことになつておりますが、どうか大臣一つお考え下さいませんでしようか、こういうことについて……。
○国務大臣(大達茂雄君) これは実は文部省でやつておらんことでありまして、中山先生のおつしやることは大変御尤もでございまして、今後一つ研究してできるだけ吃音者の矯正の方向へ進みたいと思います。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/019/0524/01903240524001a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第009回国会 文部委員会 第7号 昭和二十五年十二月七日(木曜日)

1950年

第009回国会 文部委員会 第7号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
    午前十一時二十五分開議
 出席委員
   委員長 長野 長廣君
   理事 岡延右エ門君 理事 小林 信一君
   理事 松本 七郎君
      小西 英雄君    佐藤 重遠君
      高木  章君    圓谷 光衞君
      平島 良一君    若林 義孝君
      笹森 順造君    渡部 義通君
      浦口 鉄男君
 出席政府委員
        文部政務次官  水谷  昇君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (初等中等教育
        局中等教育課
        長)      太田 周夫君
        文化財保護委員
        会事務局長   森田  孝君
       専  門  員 横田重左衛門君
        専  門  員 石井つとむ君
    ―――――――――――――
十二月七日
 委員北川定務君、田渕光一君及び山本久雄君辞
 任につき、その補欠として飛嶋繁君、根本龍太
 郎君及び周東英雄君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した請願
 一 官立商船学校を国立商船高等学校として存
   置に関する請願(内藤友明君紹介)(第二
   九号)
 二 六・三制校舎建設予算増額の請願(金塚孝
   君紹介)(第三〇号)
 三 無縁寺建立に関する請願(並木芳雄君紹
   介)(第一一二号)
 四 小、中学校教職員の災害補償に関する請願
   (宇野秀次郎君紹介)(第四九号)
 五 教員保養所創立費国庫補助の請願(小西寅
   松君外一名紹介)(第六〇号)
 六 教育財政確立に関する請願外三件(坪川信
   三君紹介)(第七〇号)
 七 教育財政確立等に関する請願外三件(坪川
   信三君紹介)(第七一号)
 八 六・三制校舎建設費国庫補助継続等に関す
   る請願(山崎岩男君外一名紹介)(第七二
   号)
 日程追加
 一 群馬大学工学部に教養課程存置の請願(長
   谷川四郎君紹介)(第七三号)
 二 国立きつ音矯正所設置の請願(松澤兼人紹
   介君)(第七五号)
 三 東京水産大挙校舎の施設対策に関する請願
   (冨永格五郎君外四名紹介)(第一二七
   号)
 四 国宝霞ケ城復興に関する請願(若林義孝君
   外四名紹介)(第一六八号)
 五 錦帯橋再建費全額国庫負担の
   請願(佐藤榮作君紹介)(第一八九号)
 六 六・三制校舎建設予算増額の請願(高橋權
   六君紹介)(第一二正号)
 七 大阪府下学校施設の災害復旧に関する請願
   (田中萬逸君紹介)(第二五〇号)
 八 奈良女子大学に教育学部設置の請願(前田
   正男君紹介外一名)(第二七〇号)
 九 学校教育法及び私立学校法の一部改正に関
   する請願(福井勇君紹介)(第二七一号)
一〇 教職員の結核対策強化に関する請願(笹森
   順造君紹介)(第二七三号)
一一 同(小林信一君紹介)(第二七四号)
一二 教育委員会法等の一部改正に関する請願(
   中村清君紹介)(第三三九号)
一三 教職員の結核対策強化に関する請願(受田
   新吉君紹介)(第三四二号)
一四 同(堤ツルヨ君紹介)(第三八四号)
一五 教職員の給与改訂並びに年末手当支給に関
   する請願(岡西明貞君紹介)(第三七九
   号)
一六 平和擁護に関する請願外一件(風早八十二
   君紹介)(第四三一号)
一七八築中学校の一部接収に伴う対策確立の請願
   (平井義一君紹介)(第四喜五〇号)
一八 教職員の結核対策強化に関する請願(松本
   七郎君紹介)(第四五一号)
一九 同(佐々木盛雄君紹介)(第五二一号)
二〇 教育財政確立に関する請願外七件(菅家喜
   六君紹介)(第四五二号)
二一 遠刈田小学校雨天体操場建設費国庫補助の
   請願(庄司一郎君紹介)(第四五三号)
二二 官立商船学校を国立商船高等学校として存
   置に関する請願(土倉宗明君外二名紹介)
   (第四五四号)
二三 国民平和運動展開に関する請願(小林君進
   外二名紹介)(第四五六号)
二四 同(岡田春夫君紹介)(第四九五号)
二五 教員の定員増加に関する請願(笹森順造君
   紹介)(第四八一号)
二六 国立大学に夜間部設置の請願(笹森順造君
   紹介)(第四八二号)
二七 国立弘前大学に夜間部設置の請願(笹森順
   造君紹介)(第四八三号)
二八 定時制課程の設備費及び建築費国庫補助増
   額の請願(笹森順造君紹介)(第四八四
   号)
二九 教職員の待遇改善に関する請願(島村一郎
   君紹介)(第五四九号)


○岡(延)委員長代理 次に国立きつ音矯正所新設の請願を議題といたします
○浦口委員 国立きつ音矯正所設置の請願、第七五号、紹介議員松澤兼人君が御出席がございませんので、かわつて御紹介を申し上げます。請願者は兵庫県知事岸田幸雄外一名であります。
 本請願の要旨は、全国に百万人と推算される吃音者悲痛なる実情を考えるとき、これが救済は、人道上、教育上、社会政策上きわめて緊要なことであると信ずる。ついては、すみやかに国立吃音矯正所を設立するとともに、これが設立にあたつては、過去三十年間これを研究実施し、大なる成績をあげている神戸市に本院を設立し、年中無休の開設所とし、教師養成の講習会を開いて全国普及をはかる算すみやかに実施されたいというのであります。
○岡(延)委員長代理 政府の意見を求めます。
○太田説明員 請願の御趣旨の通り、吃音者の教育は非常に大切でありますが、これを救済するためには、一地方における国立吃畜矯正所のみでは、全国におきまする吃音者を全部救済することは不可能でございます。それで小、中、高等学校の特殊学級の中において、吃音者の矯正指導を考えておりますので、でき得る限りこれを強化する方針でございます。こういう方針を徹底するために、教員の吃音者に対する指導力の養成につきましては、本年度特殊教育研究集会を全国五つの地区で行いましたが、この研究集会でも、一つの分野といたしまして取上げて研究をいたしておりますが、まだ不足の感がありますので、明年度も引続いてこの研究集会を行いまして、さらに教員の指導力を向上させたいと考えております。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/009/0804/00912070804007a.html

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第006回国会 厚生委員会合同審査会 第1号 昭和二十四年十一月二十五日(金曜日)

1949年
第006回国会 厚生委員会合同審査会 第1号
昭和二十四年十一月二十五日(金曜
日)
   午前十一時三十三分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
  衆議院
   委員長     堀川 恭平君
   理事      青柳 一郎君
   理事      大石 武一君
   理事      田中 重彌君
   理事      中川 俊思君
   理事      松永 佛骨君
   理事      岡  良一君
   理事      金塚  孝君
   理事      苅田アサノ君
   理事      橘  直治君
   理事      金子與重郎君
           今泉 貞雄君
           田中  元君
           高橋  等君
           幡谷仙次郎君
           丸山 直友君
           亘  四郎君
           堤 ツルヨ君
           川崎 秀二君
           伊藤 憲一君
  参議院
   委員長     塚本 重藏君
   理事      今泉 政喜君
   理事      谷口弥三郎君
   理事      岡元 義人君
           中平常太郎君
           姫井 伊介君
           山下 義信君
           草葉 隆圓君
           黒川 武雄君
           中山 壽彦君
           竹中 七郎君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
  ―――――――――――――
 出席委員
  衆議院
   理事
           青柳 一郎君
           大石 武一君
           田中 重彌君
           中川 俊思君
           岡  良一君
           苅田アサノ君
           金子與重郎君
   委員
           丸山 直友君
           亘  四郎君
           堤 ツルヨ君
           伊藤 憲一君
  参議院
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           岡元 義人君
   委員
           姫井 伊介君
           中平常太郎君
           山下 義信君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
  出席政府委員
   大蔵事務官
   (日本專売公社
   管理官)    冠木 四郎君
   厚生事務官
   運輸事務次官
   (鉄道監督局国
   有鉄道部長)  石井 昭正君
  委員外出席者
   参議院議員   小林 勝馬君
   参議院法制局参
   事
   (第一部第一課
   長)      中原 武夫君
   厚生事務官
   (社会局厚生課
   長)      黒木 利克君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○身体障害者福祉法案(塚本重藏君外
 十五名発議)


○政府委員(石井昭正君) これは大変大雑把な推算でございまするが、身体障害者、特に介護人を要される身体障害者の数を大体十万七千人程と教えて頂きました。これに基きまして計算いたしますると、介護人の数を合わせまして、丁度その倍数の二十一万四千人程になるのであります。これが一年間にどの程度乗車されますかということでございまするが、これは我が国の人口一人当りの平均乗車回数の点では十七回になつております。一回と申しますのは片道でございますので、往復いたしますと、この倍になりますが、身体不自由の方でございまするので、平均して、これは尤も子供から何からすつかり入れての平均でございまして、活動し得る人口に対しましての平均ではございません。而もその平均より多少落しまして十五回、即ち七往復半一年間に乗車いたすという考えで以て計算いたしまして、約三百二十四万回と見込んでおります。一人当りの運賃は、只今のところ乗車人員一人当りの平均は四十三円五十銭となつております。これを大体積算いたしますと、約一億四千万円になるのであります。従いましてこの半額を国鉄において負担するといたしましても、年間七千万円程度の負担になるのでございます。七千万円と申しますと、相当大きな額になるのでございまして、この点については、国鉄の方は国家から補償して頂くべき筋合ではないかという意見を持つておるのでございます。理論的に申しますれば、恐らく企業体として国有鉄道を別の法人といたしました建前から見ますると、さようなことも一応の主張は成立つかと思うのでありますが、併しながらその国鉄の持つております精神に鑑みまして、いろいろこの程度のことは当然御協力されるべきではないかと、運輸省といたしては考えるのでありますが、併しながら七千万円というものを、若しこれを予算上に現わしますと、それだけの金額を補填いたしますためには、相当の措置を講じなければならないわけであります。国鉄の言い分といたしましては、從つてこれを表てに出さずして、実際上運賃の割引きには御協力いたしたい。表てに出して、これだけの歳入欠陷があるというふうに、財政上の手段を講じなければならない建前にされるのは甚だ困るという言い分でございまして、その点につきましては、かねがねこの事前の審査の際に両者の專門員の方々にも、運輸省といたしまして、勿論この介護者並びに介護者を含めました方々に対しまして、相当の減額をいたすことは、これは当然御協力申上げる。併し法律で以てはつきりそういうことになりますると、どうしても財政上の欠陷というものを見込まなければならない。それは又そこに新らしい予算上の措置の問題を生じて困る点が生ずるのでありまするから、従いまして実際上御協力申上げるということで、法律にはお書き願わないようにして頂きたいということを再三申上げたのでございまするが、併しながらこれは法律の建前上、どうしてもお書きになるというお話でございました。只今拜見いたしました御提案によりますると、聊か技術的にも多少疑問のある点もあるようでございまするので、この点につきまして、一応提案者の技術的な方面を受持つていらつしやる方と一遍お話合いをさせて頂きたい、かように考えておる次第でございます。
○岡良一君 今いろいろと仔細な統計或いは数字でお話がございましたが、併し私共の考えといたしましては、今あなたのおつしやつたような大きな負担にはならないと思つております。と申しますのは、二割或いは次いで六割というふうに鉄道運賃の値上りが行われておりまするが、と同時に、汽車に乗つて旅をするものの頭数も現実には減つておりますので、況んや身体障害者が、従前は普通並みに運賃を拂わなければならないという状況の下においては、介護を要するものは二人分を拂わなければならないということは、これは生活上大きな負い目を受けておる身体障害者といたしましては、一般のものに比べて遥かに鉄道の利用率が少ないだろうと思いますので、一般人の乗車率を基準といたされまして、身体障害者の乗車の率を算定され、又乗車した運賃等を以て鉄道会計における收入減を見込まれるということは、聊か実情に帥さないのじやないかと思うのでございますが、私共としては、願わくば運賃の全額を免除するというところまで、運輸当局におきましても、一つ御奮発を願いたいということを心からお願いをいたす次第であります。齎これは黒木さんにお尋ねしたのでありますが、この場合、この運賃が仮に半減されるといたしまして、例えば言語障害者、例えば吃音者でありますが、これが甲の地から乙の地へ所用で行くことになるといたしましても、どもりのために発音が十分できないということのために、実際汽車の乗り降りには余り不便はないが、向うに行つて用足しをするときにはできないというような状況のものが予想されるのでありますが、そういう方々も運賃減免の恩典に治することができるかどうかという点或いは又駅頭で稀に見受けることがありますが、財布の中からお金を出すことに非常に困難を来しておる、併し両足はぴんとしておりまして、いわば両手の機能に非常な欠陷のあるような方々で、歯で噛んで引出しておるというような状況を見ることもありまするが、こういう方々に対してやはり運賃の減免措置が講ぜられるのでありますか。そういう点、実際上、運営の取扱上、一応伺いたいと思うのであります。
○説明員(黒木利克君) 第五十條で「政令の定める身体障害者」と書いてございますが、これは運輸省当局と交渉いたしまして、その範囲を決めたいと思つておりますが、只今お尋ねの、吃昔者で、切符を買うことの非常に不自由な者が入るかどうかという問題は、当人が介護者を同行しなければ交通が困難であるという場合には入ると思いますけれども、通常、例えば吃音で駅の切符が買えるというような場合は入りませんので、その範囲につきましては、これは運輸当局との交渉によつて結局決めざるを得ないと思つております。それから両手先が損傷しておつて、切符を買うのに非常に困難な者は、私達は当然入ると考えております。
○委員外議員(小林勝馬君) 先ずお伺いしたいのは、只今の御説明にもありましたが、介添者を同行しない人に対しては、この割引をしないのかどうなのか、その点が第一点であひます。それから今この法文を見まして感ずることは、介護者と身体障害者におのおの半額と相成つております。これは先程岡委員からお話がありました通り、私共といたしましても、全額免除というふうに考えております。現在東京都電その他におきましても、身体障害者に半額乃至は介添者に半額というのじやなくて、東京都電その他におきましては介添者だけが全然無料になつておりまして、身体障害者は有料になつておる現状でございます。これで何故に牛額ずつにしたのか、その点も御説明願いたい。それから今申上げた私鉄関係にはどういうふうに相成るのか、その点も厚生当局のお考えをお伺いしたいと思います。


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http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/ryoin/006/1328/00611251328001a.html