2014年4月16日水曜日

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第006回国会 厚生委員会合同審査会 第1号 昭和二十四年十一月二十五日(金曜日)

1949年
第006回国会 厚生委員会合同審査会 第1号
昭和二十四年十一月二十五日(金曜
日)
   午前十一時三十三分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
  衆議院
   委員長     堀川 恭平君
   理事      青柳 一郎君
   理事      大石 武一君
   理事      田中 重彌君
   理事      中川 俊思君
   理事      松永 佛骨君
   理事      岡  良一君
   理事      金塚  孝君
   理事      苅田アサノ君
   理事      橘  直治君
   理事      金子與重郎君
           今泉 貞雄君
           田中  元君
           高橋  等君
           幡谷仙次郎君
           丸山 直友君
           亘  四郎君
           堤 ツルヨ君
           川崎 秀二君
           伊藤 憲一君
  参議院
   委員長     塚本 重藏君
   理事      今泉 政喜君
   理事      谷口弥三郎君
   理事      岡元 義人君
           中平常太郎君
           姫井 伊介君
           山下 義信君
           草葉 隆圓君
           黒川 武雄君
           中山 壽彦君
           竹中 七郎君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
  ―――――――――――――
 出席委員
  衆議院
   理事
           青柳 一郎君
           大石 武一君
           田中 重彌君
           中川 俊思君
           岡  良一君
           苅田アサノ君
           金子與重郎君
   委員
           丸山 直友君
           亘  四郎君
           堤 ツルヨ君
           伊藤 憲一君
  参議院
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           岡元 義人君
   委員
           姫井 伊介君
           中平常太郎君
           山下 義信君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
  出席政府委員
   大蔵事務官
   (日本專売公社
   管理官)    冠木 四郎君
   厚生事務官
   運輸事務次官
   (鉄道監督局国
   有鉄道部長)  石井 昭正君
  委員外出席者
   参議院議員   小林 勝馬君
   参議院法制局参
   事
   (第一部第一課
   長)      中原 武夫君
   厚生事務官
   (社会局厚生課
   長)      黒木 利克君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○身体障害者福祉法案(塚本重藏君外
 十五名発議)


○政府委員(石井昭正君) これは大変大雑把な推算でございまするが、身体障害者、特に介護人を要される身体障害者の数を大体十万七千人程と教えて頂きました。これに基きまして計算いたしますると、介護人の数を合わせまして、丁度その倍数の二十一万四千人程になるのであります。これが一年間にどの程度乗車されますかということでございまするが、これは我が国の人口一人当りの平均乗車回数の点では十七回になつております。一回と申しますのは片道でございますので、往復いたしますと、この倍になりますが、身体不自由の方でございまするので、平均して、これは尤も子供から何からすつかり入れての平均でございまして、活動し得る人口に対しましての平均ではございません。而もその平均より多少落しまして十五回、即ち七往復半一年間に乗車いたすという考えで以て計算いたしまして、約三百二十四万回と見込んでおります。一人当りの運賃は、只今のところ乗車人員一人当りの平均は四十三円五十銭となつております。これを大体積算いたしますと、約一億四千万円になるのであります。従いましてこの半額を国鉄において負担するといたしましても、年間七千万円程度の負担になるのでございます。七千万円と申しますと、相当大きな額になるのでございまして、この点については、国鉄の方は国家から補償して頂くべき筋合ではないかという意見を持つておるのでございます。理論的に申しますれば、恐らく企業体として国有鉄道を別の法人といたしました建前から見ますると、さようなことも一応の主張は成立つかと思うのでありますが、併しながらその国鉄の持つております精神に鑑みまして、いろいろこの程度のことは当然御協力されるべきではないかと、運輸省といたしては考えるのでありますが、併しながら七千万円というものを、若しこれを予算上に現わしますと、それだけの金額を補填いたしますためには、相当の措置を講じなければならないわけであります。国鉄の言い分といたしましては、從つてこれを表てに出さずして、実際上運賃の割引きには御協力いたしたい。表てに出して、これだけの歳入欠陷があるというふうに、財政上の手段を講じなければならない建前にされるのは甚だ困るという言い分でございまして、その点につきましては、かねがねこの事前の審査の際に両者の專門員の方々にも、運輸省といたしまして、勿論この介護者並びに介護者を含めました方々に対しまして、相当の減額をいたすことは、これは当然御協力申上げる。併し法律で以てはつきりそういうことになりますると、どうしても財政上の欠陷というものを見込まなければならない。それは又そこに新らしい予算上の措置の問題を生じて困る点が生ずるのでありまするから、従いまして実際上御協力申上げるということで、法律にはお書き願わないようにして頂きたいということを再三申上げたのでございまするが、併しながらこれは法律の建前上、どうしてもお書きになるというお話でございました。只今拜見いたしました御提案によりますると、聊か技術的にも多少疑問のある点もあるようでございまするので、この点につきまして、一応提案者の技術的な方面を受持つていらつしやる方と一遍お話合いをさせて頂きたい、かように考えておる次第でございます。
○岡良一君 今いろいろと仔細な統計或いは数字でお話がございましたが、併し私共の考えといたしましては、今あなたのおつしやつたような大きな負担にはならないと思つております。と申しますのは、二割或いは次いで六割というふうに鉄道運賃の値上りが行われておりまするが、と同時に、汽車に乗つて旅をするものの頭数も現実には減つておりますので、況んや身体障害者が、従前は普通並みに運賃を拂わなければならないという状況の下においては、介護を要するものは二人分を拂わなければならないということは、これは生活上大きな負い目を受けておる身体障害者といたしましては、一般のものに比べて遥かに鉄道の利用率が少ないだろうと思いますので、一般人の乗車率を基準といたされまして、身体障害者の乗車の率を算定され、又乗車した運賃等を以て鉄道会計における收入減を見込まれるということは、聊か実情に帥さないのじやないかと思うのでございますが、私共としては、願わくば運賃の全額を免除するというところまで、運輸当局におきましても、一つ御奮発を願いたいということを心からお願いをいたす次第であります。齎これは黒木さんにお尋ねしたのでありますが、この場合、この運賃が仮に半減されるといたしまして、例えば言語障害者、例えば吃音者でありますが、これが甲の地から乙の地へ所用で行くことになるといたしましても、どもりのために発音が十分できないということのために、実際汽車の乗り降りには余り不便はないが、向うに行つて用足しをするときにはできないというような状況のものが予想されるのでありますが、そういう方々も運賃減免の恩典に治することができるかどうかという点或いは又駅頭で稀に見受けることがありますが、財布の中からお金を出すことに非常に困難を来しておる、併し両足はぴんとしておりまして、いわば両手の機能に非常な欠陷のあるような方々で、歯で噛んで引出しておるというような状況を見ることもありまするが、こういう方々に対してやはり運賃の減免措置が講ぜられるのでありますか。そういう点、実際上、運営の取扱上、一応伺いたいと思うのであります。
○説明員(黒木利克君) 第五十條で「政令の定める身体障害者」と書いてございますが、これは運輸省当局と交渉いたしまして、その範囲を決めたいと思つておりますが、只今お尋ねの、吃昔者で、切符を買うことの非常に不自由な者が入るかどうかという問題は、当人が介護者を同行しなければ交通が困難であるという場合には入ると思いますけれども、通常、例えば吃音で駅の切符が買えるというような場合は入りませんので、その範囲につきましては、これは運輸当局との交渉によつて結局決めざるを得ないと思つております。それから両手先が損傷しておつて、切符を買うのに非常に困難な者は、私達は当然入ると考えております。
○委員外議員(小林勝馬君) 先ずお伺いしたいのは、只今の御説明にもありましたが、介添者を同行しない人に対しては、この割引をしないのかどうなのか、その点が第一点であひます。それから今この法文を見まして感ずることは、介護者と身体障害者におのおの半額と相成つております。これは先程岡委員からお話がありました通り、私共といたしましても、全額免除というふうに考えております。現在東京都電その他におきましても、身体障害者に半額乃至は介添者に半額というのじやなくて、東京都電その他におきましては介添者だけが全然無料になつておりまして、身体障害者は有料になつておる現状でございます。これで何故に牛額ずつにしたのか、その点も御説明願いたい。それから今申上げた私鉄関係にはどういうふうに相成るのか、その点も厚生当局のお考えをお伺いしたいと思います。


全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/ryoin/006/1328/00611251328001a.html


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