2014年4月16日水曜日

日本の国会で吃音が取り上げられた事案 第051回国会 社会労働委員会 第4号 昭和四十一年二月二十四日(木曜日)

Twitterからこのページへ来た方へ
吉川兼光議員の吃音についての発言を読む前にちょっと説明。
Twitterでは文字制限があるので少し追記します。
現在、吃音で苦しんでいる当事者・家族、支援者の皆さん!!
自分のできることやろう。
地元の選挙区の国会議員さんでもいい。
政党のHPのご意見欄でもいい。
厚生労働省のHPのご意見欄でもいい。
内閣府のHPのご意見欄でもいい。
吃音者の苦しみを伝えよう。動けば変わる。

そして、時間があればNPO法人全国言友会連絡協議会にもあなたの力を貸してください。
全ての吃音者に選択肢のある世の中に変えなくてはいけないと私は思います。
http://zengenren.org/


2014年7月17日追記
吃音症は発達障害であり精神障害者保健福祉手帳の交付対象であることが判明しました。


意見や要望をするときの注意ですが。電話にするか?HPからにするか?手紙にするか?色々と手段はあります。国会議員さんや政党にコンタクトする場合は自分の情報を開示する必要があります。

厚生労働省や内閣府だと匿名で電話して、吃音について質問してもすぐに答えてくれます。
自分は吃音があるのだが、日本にはどのような社会福祉があるのか?障害者手帳はあるのか?と質問してみましょう。

問い合わせが多いということはそれだけ困っている人がいるということが伝わるはずです。

もし、電話するときにあなたがICレコーダーを持っているのであれば、ハンズフリーモード・スピーカーフォンモードにしてどのような回答を得られたか保存しておくのも重要です。


そして、全てに共通することですが。必ず質問に対して返事・返信がほしい旨を伝えましょう。






駄文失礼しました。

こちらが本文になります。



1966年

第051回国会 社会労働委員会 第4号
昭和四十一年二月二十四日(木曜日)
   午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 田中 正巳君
   理事 藏内 修治君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 竹内 黎一君 理事 伊藤よし子君
   理事 河野  正君 理事 吉村 吉雄君
      大坪 保雄君    熊谷 義雄君
     小宮山重四郎君    西村 英一君
      松山千惠子君    粟山  秀君
      山村新治郎君    亘  四郎君
      淡谷 悠藏君    滝井 義高君
      辻原 弘市君    長谷川 保君
      八木 一男君    吉川 兼光君
      谷口善太郎君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
 出席政府委員
        厚生事務官
        (大臣官房長) 梅本 純正君
        厚生事務官
        (大臣官房会計
        課長)     戸澤 政方君
        厚生事務官
        (薬務局長)  坂元貞一郎君
        厚生事務官
        (社会局長)  今村  譲君
        厚生事務官
        (児童家庭局
        長)      竹下 精紀君
        厚生事務官
        (保険局長)  熊崎 正夫君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (大臣官房企画
        室長)     加藤信太郎君
        厚 生 技 官
        (大臣官房統計
        調査部統計調査
        官)      角田 厲作君
        専  門  員 安中 忠雄君
    ―――――――――――――
二月二十二日
 委員八木一男君辞任につき、その補欠として永
 井勝次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
 委員永井勝次郎君辞任につき、その補欠として
 八木一男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 厚生関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――

○吉川(兼)委員 関連。この際、厚生大臣から御答弁を伺っておきたいので、関連質問を申し上げたいと思います。
 いま吉村委員との間に行なわれているいろいろの応答を聞きながら、大臣のまじめで良心的な御答弁に私は敬意を表するものでございますが、その御答弁の中でたくさん数えられた項目、そのうちに私がひそかに期待いたしましたのに出てこない問題がございます。それは一見小さな問題と考えられやすいのでございますが、実は非常に深刻化している点からいって、決して小さな問題と考えられないので、この機会に大臣の明確な御答弁をわずらわしたいのであります。それは言語障害者に対する政府の治療対策、ないしは治療の施策の現状、さらにはその基本ともいうべき言語障害者の基本調査、つまり国民の中に大体どのくらいの患者がいるかということ等についてでございます。概略でもよろしゅうございますから、まず伺っておきたい。
○鈴木国務大臣 吉川さんがただいまお話しになりました言語障害者あるいは聴覚障害者、この問題は非常に私どもも重視いたしておりまして、その対策につきましても、昭和三十二年以来特に努力を払っておるところでございます。ただいままでの調査によりますと、聴覚障害の者が十九万五千人ほど、それから音声言語障害の者が二万七千人ほど、これを合算いたしまして、二十三万一千人ほど昨年八月の調査によりますとおるわけであります。これらの方々に対しまして、昭和三十二年に国立のろうあセンターを設置いたしまして、できるだけこういう方々を収容いたしまして、そして療育に当たっております。また指導に当たっておりますが、そのほか文部省関係といたしまして、ろう学校が全国で百七校、一万九千人を収容をいたしております。民間のほうにはこういう施設が、ほかの心身障害であるとか肢体不自由であるとかいうのに比べまして、比較的おくれておるのでございますが、私ども今後も法律の整備を急ぎまして、こういう面につきましても今後一そう力を入れてまいる考えでございます。
○吉川(兼)委員 私も問い方がまずかったのかもしれませんが、私の伺っておりまするのは、言語障害といいましても、いまの御答弁のようなろう関係のことではありません。端的に申しますと、俗にいうどもりとか、あるいは口蓋裂その他のことをいうのであります。そういう方面の調査でございます。実はこの問題について、私が昨年の十二月に総理大臣あてに質問書を提出いたしましたが、そのときにいただいた答弁書がここにあるのです。これはおそらく厚生省や文部省などで作成した答弁書と思いますが、名前は総理大臣からの答弁となっております。その中で私の言う言語障害に対する調査は、実は現在正確な調査はできておらないと書いてあります。ちょっと読んでみますと、「言語障害者の判定基準を作り、これによつて全国的調査を行なうことのできる段階ではないと考える。」という、はなはだそっけない、無責任にひとしい答弁であります。さらに、それに続きまして一九五一年のアメリカの統計を引用し、「いわゆる白亜館会議におきまして、アメリカにおける言語聴覚学会というところの報告によりますると大体〇・七%と推定しておるから、これを日本にそのまま適用するとすれば七十万人くらいであろう」というのが御答弁でございます。私は日本のことを聞いたので、アメリカの数字を聞いているのではありません。ところが、私がいろいろ調べてみましたところによりますと、たとえばいま全国で、千葉県を重点にして十幾つかの小中学校がこの問題を取り上げて特別教室を設けておりますし、民間にも篤志な施設がありまして、私がそういうところについて実際に問い合わせた調査によりますと、小中学校の児童、生徒の百人の中で二人ないし五人は患者であるというのです。これは実際それらの患者を指導し、または治療に当たっている人々が言っておる数字でありますが、その中で一番低い二人といたしましても、つまり一億に対する二%は二百万という数になるわけであります。もし五%という数字をとるといたしますと、その数は五百万ということになるわけであります。これはひとつ厚生省におきましてその正確な数字を把握するよう、可及的すみやかに努力してもらいたいことをこの際特に大臣に強く要望しておきたいと思うのであります。
 申し上げるまでもありませんが、欧米では、この問題につきましてはそれぞれの政府は力を入れております。たとえばオーストリアみたいなところにおきましても、先般世界言語学会の十三回大会というのが昨年の夏に行なわれ、日本からは花沢忠一郎という篤志な民間治療家が出席しているのであります。その方の報告書を読んでみますと、ウイーンのような狭いところでも四カ所もの治療所があるという。それに比べ日本では、治療所というのは国立で一カ所しかありません。民間の治療所としては、それも決して完全とは言えないものが、せいぜい十カ所くらいあるのじゃないかと思うのであります。かりに、先刻の総理大臣の答弁書にある七十万人と私が推定する二百万との中間が患者の実数であるとしましても、何と貧弱な施設ではありませんか。政治は必ずしも少数と多数とを差別すべきではないと信じます。しかも、この問題はきわめて深刻なのであります。たとえば、最近私のところにも、ある中学校の生徒で、十四歳か五歳くらいの者が出した手紙が届けられています。「教室で先生からどもりと言われたというので憤慨して教室を飛び出した、どうしても学校に行く気になれない。自分はあの先生を殺してやろうと思うのだけれども、母一人子一人の身の上を思うとそういうこともできない」と、まことに切実な叫びを手紙に託しているのであります。どもりの患者というのは、このような深刻な立場にあるのであります。つまり、普通人にはとうてい考え及ばない羞恥心が伴うものでありまして、自分がどもりであることをひた隠しに隠すのが常であります。どもりを苦にして自殺をしても、遺書の中にはどもりが理由であると書けない。というくらいです。そういう精神的な苦悶というものが伴っておるのであります。古い話でありますが、昔読んだ書物で、第一次世界大戦のときに、夜戦で誰何された場合に使う合いことばというのがあって、かりに山と川とすれば、山と言えば川と答えれば味方であることがすぐ通じる。それを何回山と言っても答えが出ないから、いよいよ銃殺しようとするとわあんと泣き出したという。よく調べてみると、その人はどもりで、どうしても川という答えが言えなかったのだというのです。これを見るまでもなく、どもりとは、これは人類の永遠の悲劇であると言えましょう。この問題が、政治の面で案外忘れられておるのはどうしたことでしょう。国会で取り上げられたのは、私のこの質問が初めてかもしれませんが、まことに国政の恥部と言っても言い過ぎでありません。アメリカでは、多くの大学で、その医学部にどもり等の患者をなおす言語障害学科が設けられてあり、相当大きな治療施設も行なわれておるのでありますが、わが国では、国立千葉大学の佐藤教授など、二、三の篤学者が細々と研究しているにすぎません。この質問は関連でありますから簡単に申し上げますが、これほどの重大問題が、国政の面で、はなはだしく閑却されているのであります。鈴木厚生大臣は、決しておだてるわけではありませんが、他に比類の少ない良心的な大臣といわれ、私どももひそかに期待をかけている方であります。あなたの時代にこの言語障害、特にどもりの問題等につきまして、思い切った画期的施策を打ち出してもらいたいと思います。この際、大臣から責任のある御答弁を承っておき、なお詳しくは他日の機会にあらためて質問いたしたいと思います。
○鈴木国務大臣 ただいまのどもりの矯正の問題につきまして、いろいろ実態をもう少し正確に把握をした上で、それに対する適切な施策を講ずべきであるという御提案でございますが、私もこの問題は非常に大切な問題だと思いますので、調査等につきましても早急にこれを進めまして、実態を把握して必要なる諸施策を進めたい、かように考えます。
全文
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/051/0188/05102240188004a.html

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