2015年11月15日日曜日

吃音研究という美名・錦の御旗に安易に協力しないように。協力者の権利が守られているのかを確認しましょう

この記事を見ている人の中にもある組織から「吃音認知度調査・路上アンケート実施協力募集」の情報を知っている人がいるかもしれない。またはすでに一緒に路上アンケートをしませんか?と誘われている人がいるかもしれない。

吃音研究の発展のため、吃音者の権利を守るための運動や行動はとても意義があり素晴らしいことである。どんどん行っていってほしいものである。

だがちょっと待ってほしい。

吃音研究の発展のため、吃音者の権利を守るため、という美名・錦の御旗はとても意義があり、それはそれは聞き心地の良い魔法の言葉である。それに協力できるなんて名誉かもしれない。

冷静になってほしい。

調査員になる場合、調査員の権利は守られているか?


◆協力者・調査員の権利は守られているか?
今回、「とある組織」が吃音当事者団体や言語聴覚士や個人の吃音者、吃音に関心のある一般人にむけて「吃音認知度調査・路上アンケート実施協力募集」を打診している。みなさまも聞いたことがあるだろう。

だが、今回のこの街頭調査は路上アンケートである。
公の道路であれば警察に、百貨店や鉄道会社所有の敷地であればそれはその企業に
道路使用許可を求めて行わないとならない。日本は法治国家であることを忘れてはならない。

もしも「とある組織」が、警察か民間企業から道路使用許可を貰わずに路上アンケートを自分勝手にやっていたらどうなるだろうか?例えば「とある組織の中核メンバー」は自分たちの手を汚さない状態で末端の街頭調査員だけが警察に指導・注意・逮捕されるような事案が発生したらどうなるだろうか?就職活動を控えた学生であれば経歴に傷がつくことはなんとしても避けたい。辛い思いをするのは末端の調査員である。

よく考えてほしい。
調査員として協力するのは良いことである。
だが、例えば警察か企業に申請をしないでこっそりやってよ、なんていう流れであれば疑義をもつべきである。調査員として協力するからには、調査員が「安心安全に調査員としての業務遂行ができる後ろ盾」が存在しなければならない。

また、考えてほしいのは。警察や企業に「道路使用許可を求める手続きを行うのは『とある組織』が代表として全国各地の警察や企業に行うべきであるのが原則であると考えてほしい。」

間違っても各個々人が個別で警察や企業に交渉手続きをしてはいけないのが原則だ。『とある組織』が全国各地の警察や企業に交渉手続きをした上で調査員が安心安全な環境で街頭路上アンケートを行うべきである。



※別の事例を示そう
とある引越し業者が存在するとする。
引越し業者の作業員はトラックの運転と引越し作業を行う。
さて、引越し経験をしたことがある人であれば理解できると思うが、自動車道路と歩道にまたがってギリギリでトラックを駐車する場合もある。そして「運転席に、ただいま引越し作業中です。何かありましたらここまで連絡をください 090-XXXX-XXXX」と運転席に見えるように書類が置いてあるかもしれない。

しかし、道路交通法違反はそんなものはお構いない。
一定時間以上その場所にトラックが停車していれば、交通違反の指摘と警察まで出頭せよと切符を切られる。そして運転者は違反した罰金を払い、運転免許証から違反点数を減点される。

この際、引越し業者本体は痛くも痒くもない。何らかの注意を当局から受けるが。
引越し業者本部の人間の運転免許証の点数が減るわけでもなければ、違反履歴が警察に永久に記録されることもない。

つらい経験、痛い目、免許の点数が減るのは、1番末端の作業員である。
特に吃音当事者や吃音に興味がある若い学生は気をつけよう。
就職活動に影響するかもしれない。


話を本題に戻そう。
例えばもしも「とある組織」が吃音認知度調査のために街頭で路上アンケートを行いたい。
しかし、警察か企業からは許可は得ていないけど、末端の調査員が自己責任でやってね♪
なんて内容であれば絶対に協力してはいけない。

あなたの人生や経歴に傷がつく可能性をよく考えないといけない。
あくまでも、「とある組織」が前面に出て、警察か企業と交渉して所定の手続きを行い手数料を払い許可を得てから、調査員の権利が守られる状態になっていてはじめて路上アンケートができることを忘れないでほしい。


◆なんとなく曖昧な感じ、疑義がある場合はどうしたらいいの?
今後、人生でみなさんは路上アンケートかもしれないし、XX障害の調査などで大学や研究者に協力することはあるかもしれない。

その場合、口頭ではなくて書面で、「研究者名一覧」、「指導教官は誰か?」、「倫理委員会があるか?」、「責任者の連絡先はどこか?」を確認できるようにしてほしい。

もしもそのようなものが、存在しない場合。特許申請中のような現在申請中です。という回答であれば協力はしないほうがよい。気をつけよう!!完全に書面として重要事項説明書がある段階になるまで協力はしないほうがよい。



2015年11月10日火曜日

【紹介】2015年12月6日 内閣府障害者週間連続セミナーにて吃音の講演会。菊池良和医師が登壇

内閣府 2015障害者週間「連続セミナー」
『吃音者の人権と合理的配慮を考える』 

吃音(きつおん)は20人に1人発症し、大人になっても100人に1人は吃音があるまま生活をしている。吃音は過去に「治すべき悪癖」と言われていた時代があり、偏見・差別を受けてきていた。吃音は2005年の発達障害者支援法に含まれていたが、吃音に対する合理的配慮は普及していない。そこで、吃音の歴史を知り、吃音者の人権および合理的配慮を考える。

講演者 菊池 良和(九州大学病院耳鼻咽喉科医師、医学博士)

主催 特定非営利活動法人 全国言友会(げんゆうかい)連絡協議会

日時 2015年 12月 6日 (日曜) 11:10~13:10

場所 コングレスクエア中野 詳細は開催場所を参照

定員 100名(先着順)

参加費 無料

http://www.kokuchpro.com/event/88b1650e51e802ea516128ebc63a5a07/