2015年12月27日日曜日

発達障害者支援法改正へ 就労支援を強化 超党派で10年ぶり 吃音とトゥレットは明記されるのか?

東京新聞の記事から

 自閉症やアスペルガー症候群などの人を支える「発達障害者支援法」が約十年ぶりに改正される見通しとなった。他人とコミュニケーションを取るのが苦手だったりする特性に配慮し、企業で長く働き続けられる環境整備や、教育現場でのきめ細かな対応を促す。超党派の国会議員が改正案の骨子をまとめた。来年一月召集の通常国会に提出する。成立する公算が大きい。
 支援法は議員立法で二〇〇五年に施行。障害の早期発見や学校教育、就労などで、国や地方自治体の基本的な責務を定めた。発達障害の名前は広く知られるようになったが、日常生活での困難さに対する理解は十分とは言えず、法改正で「社会の障壁」を取り除く必要があるとした。
 発達障害は見た目には分かりにくいため、周囲が気付かないことが多い。職場でいったん人間関係を築いても、上司が替わるなどした場合に適応できず、不当な配置転換や離職に追い込まれるケースがある。
 改正案では現行法の「就労機会の確保に努める」との項目に、国、都道府県による「就労定着の支援」を新たに規定。職場の上司や同僚との橋渡し役となるジョブコーチやハローワークの取り組みを強化し、事業主の適正な雇用管理を求める。
 小中学校では子どもの状態に合う目標や取り組みを定めた個別指導計画の作成が進んでいるが、高校などにも浸透させ、福祉機関との情報共有を後押しする。
 このほか他人に迎合しやすい人もいるため、刑事事件の取り調べや裁判で不利にならないように、専門家との連携や、社会復帰後の支援を念頭にした配慮を求める。
 国は一四年一月、障害者への差別を禁じ、社会参加を促進する「障害者権利条約」を批准。超党派の議員連盟が発達障害の当事者団体や関係者から意見を聞き、法改正に向けた議論を進めてきた。

◆改正案のポイント
一、発達障害者は障害および「社会的障壁」により、日常の生活に制限を受ける者とする。
一、国、都道府県は就労機会の確保に加え、定着を支援。事業主は特性に配慮した適正な雇用管理に努める。
一、教育現場で個別指導計画の作成を推進し、福祉機関と情報を共有。
一、刑事捜査や刑事訴訟で、専門家との連携や、社会復帰後の支援を念頭に配慮。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015122702000115.html


東京新聞の記事には、右側に発達障害者の定義がベン図で表現されているが。
トゥレット症候群と吃音のことは書かれていないので、そこがちょっと残念。

ただ、記事中の一、発達障害者は障害および「社会的障壁」により、日常の生活に制限を受ける者とする。ここが注目かもしれません。障害の程度もあるが、「社会的障壁」があるならば、それが日常の生活や仕事に制限を受けるなら発達障害者支援法に基づいて公的な福祉支援を受けられるということですね。ここは障害者の権利に関する条約でも同様のことがありましたね。障害者手帳の有無は関係ないと。社会的障壁があるかどうかで判断すると。吃音者にとっては、軽度重度関係なく吃音当事者が希望して申し出れば、発達障害者支援法に基づいて様々なメニューが使えるということになります。軽度だからあなたは大丈夫、障害者手帳はいらないという世界は終了です。逆に重度だからあなたは障害者手帳を持つべきだ!という強要もできません。


一、教育現場で個別指導計画の作成を推進し、福祉機関と情報を共有。
これも、適切に行ってほしいですね。
個人情報保護の観点から、毎年毎年次の学年に進級するときに、旧担任から新担任に情報共有ができるか? 学年全体で情報共有されるか? などなど難しい問題があります。ここらへんも円滑にできるようになってほしい。

JDDネットさんが第11回年次大会で多職種連携の「多職種支援」の説明をしました。
これは地域の学校教員から地方公共団体の福祉職、医療全てがワンストップ窓口として対応している事例でした。このような方法が普及していけばよいと思います。

お父さんお母さんは、毎回毎回、それぞれの窓口で同様の説明を1からしないとならぬというのは辛いです。時間も限られています。

福祉機関との情報共有も大切ですが。
労働とも情報共有ができるようになってほしいと思います。
一、国、都道府県は就労機会の確保に加え、定着を支援。事業主は特性に配慮した適正な雇用管理に努める。これがどのようなものになるのか気になります。


一、刑事捜査や刑事訴訟で、専門家との連携や、社会復帰後の支援を念頭に配慮
これは発達障害者の特性のことです。
発達障害者の中には純粋な人がいます。
例え成績優秀で一流の大学にいっている人でも、「法律ではこうなっているんだ」、「他の人もやっているよ」、「(お父さん、お母さん、先生が、教授が、XXさんが)こうやれって言っていたよ」と言われると、それが刑事事件になることでもやってしまうことがあります。

吃音者なら、言葉がうまく発話できない、発話する機会を失うため、いつ間にか汚れ役、にされてしまうことはあるでしょう。犯罪かどうかは別です。


刑事事件ではありませんが。例えば発達障害のある男性や女性。とくに女性だと性犯罪に巻き込まれやすいことがあります。「XXさんもしてるよ」、「他の人もこの年齢になれば普通にやっているから」、「愛があるなら身体の関係を持っていいんだよ」、「家出してるの、私の家にくれば」などの事案です。本当に相手を信じてしまうということがあります。インターネットやSNSで知り合った異性を周囲の信頼関係のある人間と同列と判断してしまうためです。身体を触られること、家族でも触ってはいけない場所を触られても悪いことだと判断できないのでNOと言わない場合もあります。

刑事事件も重要ですが、発達障害のある子どもの性教育なども充実してほしいなと思います。





0 件のコメント:

コメントを投稿